1.預金残高について
預金残高第1位~3位の福岡銀行・西日本シティ銀行・広島銀行については先述したが、以下の順位行について述べてみたい。
◆5兆円未満~3兆円以上の銀行
第4位 山口銀行 4兆8,919億円
第5位 肥後銀行 3兆9,460億円
第6位 鹿児島銀行 3兆3,161億円
★まず第4位の山口銀行について
・第4位の山口銀行は、第7位のもみじ銀行、第15位の北九州銀行とともに山口フィナンシャルグループ(FG)傘下にあり、その中核バンク。同行は九州における営業を2011年10月3日、北九州銀行に分割譲渡している。
・山口銀行の預金は13/3月末比▲253億円(▲0.5%)となっているが、同じ山口県内を地盤とする西京銀行は13/3月末比419億円増加している。
山口銀行の総預金の減少は、譲渡性預金が減少したことが主因。ただボリュームの小さい西京銀行が405億円増加しているのに比べて、山口銀行の一般預金は126億円の微増にとどまっている。
ある事情通は、「山口銀行は北九州銀行の設立や新設店舗の要員として優秀な人材を送り出しており、山口県内の営業力が弱くなっている」と語る。
・第5位の肥後銀行はふくおかFG傘下の熊本銀行の追撃を受けているものの、県内の主要企業や個人客を固めており、その優位性は揺るいでいない。
・第6位の鹿児島銀行は前期比1,025億円増(3.2%増)と大幅な増加となっており、地元銀行である南日本銀行の92億円増(1.4%増)に大差をつけている。むしろその格差は拡大していると言えよう。
★このグループのなかでは、すでに山口銀行が中核となって山口FG体制を構築。将来的には肥後銀行を中核とするFGの組成、さらには鹿児島銀行を中核とするFGの組成が起こる可能性がある。また今までは考えられなかった肥後銀行と鹿児島銀行との提携による金融再編の話も、やがて現実味を帯びることになるのかもしれない。
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