長い間内戦などの戦火に晒されてきたカンボジア。ようやく戦争は終結したものの、未だに戦争の状況が存在する。「地雷」と「不発弾」である。カンボジア国内において地雷の数は約500万個あるといわれている。その地雷を自ら撤去し続ける人々がおり、その第一人者としてアキラ氏が有名である。アキラ氏はカンボジア国内にアキラ地雷博物館を設置して、我々に戦争の無残さ、愚かさを問うている。アキラ氏の生き様に共感し、単身カンボジアにわたって同博物館で日本人応援団としてガイドを手掛ける川広肇氏からメッセージが届けられた。今一度、平和貢献について考えてみよう。
<3度目の訪日 平和学習講演会を開催>
アキラ氏は国内における内戦の元少年兵。現在はカンボジアにおける地雷撤去のスペシャリストとし新聞やテレビで取り上げられており、日本でも徐々に認知されつつあります。そのため、カンボジアのアキラの地雷博物館を訪問して下さる日本人客も年間3,000人を超えました。
過去、アキラ氏は日本での講演活動を行ない2006年には大阪、13年6月には大阪と熊本で講演会を行ないました。しかし、彼の実績から見て日本では決してまだ知名度が高いとは言えません。もっと多くの日本人に、彼の経歴と現在の活動内容を知って貰い、彼に対する支援を呼び掛けたいと私は考えました。また、直接戦争体験を聞いてもらうことで、我々日本人が平和の尊さとそれを如何に守るかを考えるキッカケにしたいと思いもあったのです。そこで今回3度目となる訪日で日本における「平和学習講演会」を実施したのです。
約半年前ですが、私の方から呼び掛けたところ、5つの団体が各地において講演会を引き受けてくれました。
京都「京都外国語大学国際教養学科」
大阪「関西大学・カンボジアNGO協働プロジェクトJ-Caja」
岡山は私の仲間が「アキラ氏岡山講演実行委員会」を結成。
東京「学生国際協力団体Michiiii」
福岡「一般財団法人・CMCカンボジア地雷撤去キャンペーン」の合計5団体です。
岡山の団体以外はこれまでに何度も博物館を訪問して下さったことのある支援者の皆様方です。この5つの団体の皆様が半年間にわたって準備に奔走してくださり、その結果、大変素晴らしい講演会を開催する事が出来ました。10月24日の京都を皮切りに、25日、26日が大阪、27日が岡山、31日が東京、そして最後が11月4日の福岡講演で講演会は幕を閉じました。どの会場も大盛況で、特に若者が大勢集まってくれて、カンボジアの地雷問題と日本の平和について真剣に考えてくれたみたいです。
ある会場では、講演終了後に「これまではカンボジアに対して関心も無く、ましてや地雷の事とか考えた事も無かったが、友達が余りに真剣に誘うものだから付き合いで講演会に参加したが、来て本当に良かった。感動した。これからは少しでも自分の出来る範囲で協力したい。」と言ってくれる学生が居て、涙が出るほど嬉しく思いました。
<平和への貢献のありかた>
カンボジアにはまだ500万個の地雷が埋まっていると言われています。彼の活動は、今後もまだ数十年続くでしょう。カンボジアから地雷が一掃され、カンボジアに本当の平和が訪れた時、彼は次に何をするのでしょう?
以前、彼の口から「将来は障害を持った人とか、お年寄りが安心して暮らせるコミューンを作りたい」と聞いた事があります。また日本人支援者からは、彼にはその知識を活かしてカンボジア以外の地雷で苦しんでいる国でも活躍して欲しいと聞かされた事があります。いずれにしても彼は、カンボジアの宝として、いや人類の宝として今後も活躍が期待されています。そのアキラ氏を支援すると言う事は、間接的ながらもカンボジアの、そして世界の平和の為に協力する事に繋がります。
日本の皆様、アキラ氏を共に支え、世界平和に貢献しようではありませんか。
2013年11月
「アキラ地雷博物館・日本人応援団」
代表 川広 肇
なお、下記のホームページで情報提供しています。
⇒アキラ地雷博物館 × 日本人応援団
⇒ブログ「川ちゃんのカンボジア生活日記」
※記事へのご意見はこちら