<12月7日美野島店オープン>
MrMaxは12月7日、博多区に小商圏を対象にした新業態「MrMaxセレクト美野島店」を開設する。来年5~6月には、北九州市八幡東区東田と佐賀県唐津市に出店、いずれも生鮮売場を併設した大型店の新業態「スーパーセンター」にする見込み。東田店は7月開業した小倉北店と同様、トライアルカンパニーの店舗に近い。ディスカウントストア(DS)では後発のトライアルに2,000億円近い大差を付けられたが、新業態で巻き返す。
セレクト美野島店は、売場面積が656坪(2,169m2)とMrMaxの標準店の3分の1。大型家電やレジャー用品は扱わず、食品や医薬品、日用雑貨など基本的な生活必需品に絞る。MrMaxの通常店では販売していない青果、惣菜、日配品を導入、食品比率を5割に高める。
MrMaxは、今までこのタイプの小商圏を対象にした店舗がなかった。高齢化社会を迎え、買物は近くの店舗で済ます傾向が強まっており、遅まきながら数年前から実験店舗で、ノウハウの蓄積に努めていた。美野島店を皮切りに福岡都市圏でドミナント化し、関東にも出店、来期からの3年間で50店体制を目指す。美野島店は初年度14億円の売上計画。
来年5月開店予定の八幡東田店は、売場面積が1,980坪(6,545m2)で、生鮮3品と惣菜、ベーカリー売場を併設したスーパーセンター(SuC)にする。数百m離れた目と鼻の先には、今年6月オープンしたばかりのトライアル八幡東田店がある。MrMaxがトライアル店舗の近くに新店を出すのは、今年7月開店した小倉北店に続き2カ所目。それまでは逆のケースばかりで客を奪われていた。
SuCとは、米国ウォルマート・ストアーズが90年代に始めた新型店で、大型のワンフロア売場に生鮮食品から日用雑貨、衣料、・スポーツ・レジャ―用品などを品ぞろえし、低価格で販売する。それまでのDSと異なり生鮮食品を扱い、低価格と1カ所で買い物を済ませられる利便性から消費者の支持を集め、ウォルマート躍進の原動力になった。
トライアルはいち早くこれを日本に導入し、急成長を遂げた。トライアルのSuCは売場面積が5万m2を超すウォルマートのそれとは必ずしも同じではないが、MrMaxをしのぐ低価格と生鮮まで扱う品ぞろえで、デフレ下で節約志向を強める客のニーズをつかんでいった。店舗網の拡大を図るため、寿屋やニコニコ堂、ダイエー店舗跡への居抜き出店を積極活用、92年にDS1号店を出してからわずか14年後の06年3月期に売上高1,000億円を突破する、急成長の階段を駆け上がった。
これに対しMrMaxは、1,000億円を目前に長い低迷を続けていた。
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