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濱口和久「本気の安保論」

容認できない中国の横暴な挑発、対中外交は歴史に学べ!(前)
濱口和久「本気の安保論」
2013年11月25日 11:34
拓殖大学客員教授 濱口 和久

 内閣府が11月23日に発表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じない」と答えた人は、「どちらかというと親しみを感じない」を含めて、前年比0.1ポイント増の80.7パーセントとなり、昭和53(1978)年の調査開始以降、2年連続で過去最高を更新した。また、日中関係についても、「良好だと思わない」は91.0パーセントにのぼった。昨年の92.8パーセントに次ぐ過去2番目の高さだ。このように対中観が悪化するなかで、新たに中国が日本に対して仕掛けてきた挑発が、「東シナ海を中国の防空識別圏に設定する」という中国国防省の発表である。

<中国の防空識別圏設定と日本の対抗手段>
中国国旗 中国国防省が尖閣諸島上空を含む東シナ海を防空識別圏に設定した背景には、日米同盟に対抗する意図がある。日本版NSCに対抗する形で、今月中旬に発表された中国版NSC「国家安全委員会」と並び、習近平政権の日本に対する強硬姿勢を国内外にアピールする狙いがあると思われる。
 もとより、尖閣諸島上空は日本の領空であり、中国が防空識別圏を設定する権利はどこにも存在しない。中国の行為は、軍事力によって現状の変更を図るものであり、断じて容認するわけにはいかない。

 外務省幹部は「尖閣諸島周辺では海上保安庁が中国公船と対峙しているが、空域でも同じ状況が起きれば、海よりも空での不測の事態が起こる可能性の方が大きい」と懸念している。自衛隊幹部も「広大なエリアを常に監視するのは簡単なことではない。今後、中国がどう防空識別圏を運用していくつもりか見極める必要がある」としている(産経新聞11月24日付)。

 このまま中国の横暴を放置することは、東シナ海が中国化することにも繋がる。安倍晋三政権は不測の事態に備えて、領域警備を強化する法整備を急くべきである。
 あわせて、与那国島だけでなく、尖閣諸島、宮古島、石垣島にも陸上自衛隊の常駐を行ない、尖閣諸島から約200キロしか離れていない下地島にある3,000メートルの滑走路を持つ空港を自衛隊機が使用できるようにするべきだ。中国に対する抑止力としても間違いなく機能するはずである。

(つづく)

| (後) ≫

<プロフィール>
hamaguti_p.jpg濱口 和久 (はまぐち かずひさ)
昭和43年熊本県菊池市生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒業。陸上自衛隊、舛添政治経済研究所、民主党本部幹事長室副部長、栃木市首席政策監などを経て、国際地政学研究所研究員、日本政策研究センター研究員、日本文化チャンネル桜「防人の道 今日の自衛隊」キャスター、拓殖大学客員教授を務める。平成16年3月に竹島に本籍を移す。現在は、日本防災士機構認証研修機関の(株)防災士研修センター常務取締役。著書に、『思城居(おもしろい)』(東京コラボ)、『祖国を誇りに思う心』(ハーベスト出版)、「だれが日本の領土を守るのか?」(たちばな出版)。11月25日には、夕刊フジに連載中の企画をまとめた『探訪 日本の名城 上-戦国武将と出会う旅』(青林堂)を発売。公式HPはコチラ


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