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輝く九州の女性たち

世界にはばたく日本語教育者を育てたい(前)~学校法人宮田学園グループ 宮田智栄理事長
輝く九州の女性たち
2013年11月25日 14:06

 学校法人宮田学園グループの理事長として、国内外で活躍する宮田智栄氏。現在、4月に開校予定の国際貢献専門大学校の準備などで多忙な毎日を送っているが、今秋にはインドネシアのバリ島で、現地の日本語学校として長い歴史を持つSTIBA Saraswati大学との提携を結ぶために現地へ赴き、学生たちとの交流を深めた。

<訪ねてみて知るバリ島人としての誇り>
 ――インドネシア・バリ島にはいつ行かれたのですか。

STIBA Saraswati大学長と 固い握手を交わす宮田 宮田智栄理事長(以下、宮田) 11月上旬です。友好校として提携を結ぶSTIBA Saraswati大学との調印式が卒業式内で行なわれることになったので、それならば日本の民族衣装を着て参列しようと。外国に行くときは、日本の文化も一緒に紹介することを大切にしています。

 ――日本語とともに日本文化も伝えられるような人材を育成するというのは、御校のテーマでもありますね。皆さん喜ばれたことでしょう。

 宮田 ええ、熱帯地方のインドネシアで着物を着る方は稀だったようで、「浴衣は見たことがあるけれど、着物は初めて見た」と、皆さんから喜んでいただきました。

 ――インドネシアの方は、どのような服装で参加されるのですか。
 
 宮田 大体インドネシアの女性は「クバナ」というブラウスの下に「バディック」の腰巻をまといます。とても派手で華やかですね。しかしインドネシアは広いですし、宗教も地域によって違うところがありますから、場所によって着こなし方も違うようですよ。他地域で学校の卒業式に参列したある日本女性は、バディックのブラウスに黒パンツを正装として求められたと聞きました。また、バリ・ヒンドゥー教が主ですから、イスラム教が多い他州とはちょっと違う独特の文化を持っている島です。そのためでしょうか、バリ島人としての誇りがあるようです。最初、私たちが皆さんに「インドネシアは...」と話しかけていたら、何となく反応が鈍いのです。そこで「バリ島」と言い換えて話すようにしたら違和感がなくなりました。私たちから見ると、バリ島も東ジャワ島も同じく「インドネシア」ですが、当人たちにとってみればそれぞれに地域色があります。一括りにしてしまってはいけませんね。やはり現地に足を運んでみないとわからない細やかな違いがあるものです。

宮田理事長と戸田氏の着物姿は注目の的

 ――日本はどのように思われているのでしょうか。
 
 宮田 非常に好意的ですね。インドネシアは昔オランダの植民地で、独立する際に日本人がともに戦ってくれたという意識が根強く残っているようです。日本に憧れている人たちにも大勢会いました。すごく嬉しいことですね。教育面でもしっかりとしていて、高校の頃から日本語が選択科目として入っているのですよ。どこに行ってもどちらかの言葉は通じます。バリ島は日本人にとってもリゾート地として人気がありますから、日本語の需要も高いです。
 
 ――今回は、どのようなご縁で友好校の提携に至ったのですか。
 
 宮田 バリ・デンパサール福岡友好協会の関連でSTIBA Saraswati大学を紹介されたのです。当時、私どもも先方も、お互いに設立19年目で共感し合うことが多く、信頼関係を結ぶのに時間はかかりませんでした。4年制の大学で、英語学科と日本語学科があり、200名ほどが日本語学科で学んでいます。日本語教育機関としてバリ島で一番長い歴史を持っているのですよ。

 ――今後、どのような協力体制を築いていく予定ですか。
 
調印を終え、 二校の間で友好関係が結ばれた 宮田 まず先方の考えでは、講師を日本に派遣し、日本でどのような教育を行なっているのか学ばせたいそうです。本来でしたら学生たちを、と言いたいところでしょうが、率直に申し上げてバリ島で暮らす人々が日本に留学するのは難しいのが現状です。ですから教師にしっかりと日本の教育を学んでもらい、少しでも日本に近い教育を現地で実践したいのでしょう。
 また、私どもからの要望は、新しく学校法人国際貢献専門大学校を設立しますので、その留学先として受け入れていただくことをお願いしました。国際貢献専門大学校の教育理念は「世界中どこでも通用し、国際的に貢献できる、チャレンジ精神旺盛な人材を育成する一貫教育を目指す」ことです。そのためにも、「世界で通用するビジネスの専門知識やマナーを学び、日本や外国で就職させる」という目標を掲げています。良い海外体験を得られる場として、STIBA Saraswati大学に大いに期待しています。国際的に貢献することを学ぶ場としても最適でしょう。なぜなら、学生たちに、まずは日本語教育を自分の強みとして現地に貢献してほしいと考えているからです。日本語を教えるのに最適な場を提供するので、良い経験を積んでほしいです。そのうえで、たとえばマングローブを植えるなどの現地ならではの貢献を行なってもらえたらいいですね。

 ――日本語を学びたいと目を輝かせる学生が待っている日本語教育機関と、友好校提携ができたのは良いことでしたね。

 宮田 そうですね。私どもの学生と、大人の方が退職後に海外で日本語教師として社会貢献を志すのとでは違いがあります。大人の方でしたら社会経験を十分積んでいますから、自己責任という名の下、働く場を自由に選んで良いと思うのです。しかし学生、とくに社会経験が乏しい若い学生は、自分で適切な環境を見極める力がまだ備わっていません。そこで、多くの学生を育ててきた私どもが適切な環境を準備してあげることが必要になってきます。

 ――子どもたちに対する包容力を感じさせる言葉ですね。

 宮田 学生の親御さんたちのお気持ちも考えますと、自然とそうなりますね。留学と一言で言っても、留学先が本当に安心できるところかは、大人でも行って見ないとわからないものです。ましてや子どもたちが選択するのは無理でしょう。それに子どもたちは、これから始まる長い社会生活に、海外での経験を役立てていくことを考えないといけません。そのためにはどこで学んでもいいとは言えません。良い環境で良いものを吸収してほしいと考えています。

(つづく)
【聞き手・文・構成:黒岩 理恵子】

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専門学校国際貢献専門大学校
(2014年4月開校)
 国内外での就職を前提に国内外から広く学生を受け容れる。2年制のビジネス専門コースとして、商業実務専門課程のITビジネス学科、商業実務専門課程のグローバルキャリアワーキング学科、文化・教養専門課程のグローバルキャリア日本語教師養成学科の3学科、その他に海外留学コースを設置。学生数定員360人。


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