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輝く九州の女性たち

世界にはばたく日本語教育者を育てたい(中)~学校法人宮田学園グループ 宮田智栄理事長
輝く九州の女性たち
2013年11月26日 13:00

 学校法人宮田学園グループの理事長として、国内外で活躍する宮田智栄氏。現在、4月に開校予定の国際貢献専門大学校の準備などで多忙な毎日を送っているが、今秋にはインドネシアのバリ島で、現地の日本語学校として長い歴史を持つSTIBA Saraswati大学との提携を結ぶために現地へ赴き、学生たちとの交流を深めた。

<諦めない心が不可能を可能に>
 ――日本の若者は、海外へ行くことに消極的だと言われていますが、どう思われますか。
 
 宮田智栄理事長(以下、宮田) いかにバリ島の人たちが自分たちの島を誇りとしているか、どれだけ日本語学習が望まれているかなど、現地に赴いてみないと発見できないことはたくさんあります。それを知るためにも、若者にはぜひ世界へ飛び出してほしいですね。

 ――バリ島の若者は、日本に行きたいとは望んでいるのですか。

 宮田 もちろんです。高校を視察し、日本語教育の授業を見せていただき、彼らの思いも聞かせてもらいました。高校生は、まだ日本に行きたいというところまではいっていません。日本がどういう国かも知らずにいます。将来への展望もはっきり持っているわけではありません。しかし、国内に日本語の需要があるので、勉強する意義は大きいとは認識しているようです。ですから、ある程度日本語ができるようになると日本に対する興味が湧き、実際に訪れてみたいと憧れるようになります。実際、STIBA Saraswati大学の1、2年生と話をしてみたところ、ほとんどが「日本に行ってみたい」と言いますよ。

現地の国立第8デンパサール高校での写真

 ――それは良いことですね。

 宮田 ところが彼らは、必ず「絶対に無理」と付け加えるのです。あれだけ熱心に学び、なかには日本人より流暢に日本語を扱い、美しく文字を書くことができる若者もいるのに、彼らのほとんどが日本に来ることができないでいるのです。お金の価値が違いすぎますし、収入は生活を賄うのがやっとです。海外には日本に行きたいのに行けない、という気持ちを抱えつつも貪欲に日本語を学ぶ若者がいる。そのことを、日本の若者は実際に現地で会って、知る必要があると思いましたね。「行きたいけど行けない」「やりたいけどやれない」という気持ちが、日本人には足りなさすぎます。日本人は、海外に行こうと思えば行けます。そこがバリ島の若者と大きく違うところです。
 ただし、バリ島の若者が「でも、できない」という背景には、「前例がないからできない」と思い込んでいる面もあるようです。生活が苛酷で、望みを叶えることが難しい環境を受け容れるしかないという状況下で、いつの間にか「難しい」を「できない」という言葉に置き換えるようになってしまったのでは、と。でもそのような状況に慣れきってしまうようでは、あの国の未来もないと思うのです。諦めなければ「難しい」は「難しくない」に変わり、いつしか「できる」に変わります。でも最初から諦めていては、できることすらできないことに変わってしまいます。

 ――お話をうかがっているうちに、「諦めない」というのは、宮田理事長の信条のようにも思えてきました。

 宮田 たしかにそうですね。「難しい」と「できない」というのは違うのだ、というのは、ぜひとも子どもたちに気づいてほしいことです。周囲が難しいとかできないと言っても、自分にはできるかもしれないじゃないですか。だから、周りの言葉や前例に惑わされて諦めてしまうことだけは、してほしくありません。

(つづく)
【聞き手・文・構成:黒岩 理恵子】

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専門学校国際貢献専門大学校
(2014年4月開校)
 国内外での就職を前提に国内外から広く学生を受け容れる。2年制のビジネス専門コースとして、商業実務専門課程のITビジネス学科、商業実務専門課程のグローバルキャリアワーキング学科、文化・教養専門課程のグローバルキャリア日本語教師養成学科の3学科、その他に海外留学コースを設置。学生数定員360人。


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