<非常時には車から家に電気供給>
ホンダなど自動車各社は、水素がエネルギーシーンに登場してくるであろう2015年をメドに燃料電池電気自動車の実用化を目指しており、ホンダは20年ごろにゼネラル・モーターズと提携した量産型の発売開始を目標に掲げている。
自動車のエネルギー源がガソリンから水素になることで、住空間や、エネルギーの使い方にさまざまな変化が起きることが予測される。積水ハウス技術研究室の杉田朋哉主任は、「エネルギーの融通が可能になります。車で発電することができますので、日常的には、住宅で太陽光発電などを行なって水素を作り、車に水素を充填します。非常時には、逆に、車から家に電気を回すことも可能です」と、水素による燃料電池電気自動車は蓄電池のような存在になり、家から自動車、自動車から家とエネルギーの流れが変わる。ガソリン車では、住まいと自動車の間につながりは生まれなかったが、水素による燃料電池電気自動車が普及することで、住宅、自動車の間に、つながりが生まれる。
<水素が空間も変える!?>
水素電池を利用した自動車が出すのは、水。排気ガスがクリーンになることで、自動車と住宅、空間のあり方にも変化が起きる。積水ハウスでは、ホンダの燃料電池電気自動車を活用したインナーガレージを提案。ガソリン車から電気自動車になることで、たとえば、ガレージを家の中に持ってくることが可能となる。今は、リビングとは別の空間となっているガレージを、そのまま、趣味の空間、リビングとして使うこともできる。
積水ハウスの杉田主任は「たとえば、都市部の住宅のガレージは、1階部分がガレージになっていて、2、3階がリビングになっていることが多い。現在のガレージはリビングには使えませんが、水素の登場により、インナーガレージとして活用することが可能となってくる。2020年ごろに水素がエネルギー源となることにより、住まいや空間も変わってくるでしょうね。当社でもさまざまな可能性を模索しているところです」と、数年後の未来を見据える。
数年後に迫った202×年の近未来、エネルギーシーンに登場する水素は、暮らしを大きく変える可能性がある。
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