船井メディアの前代表である野々垣健五氏が関わる「バイオネット研究所」が太陽光発電施設を整備したのは愛知県豊川町。宗教法人「ひのもと」が所有していた約6,000㎡の土地だ。ひのもとは、脱税で福岡地検に摘発された「アースハート」傘下の宗教法人である。
アースハートが脱税の疑いをかけられたのは、会員から集めた資金を「ひのもと」に集中させ、会社の売上から除外したため。そのひのもとが、福祉施設建設を目指して取得したとされるのが、バイオネット社が太陽光発電施設を完成させた土地なのである。
不可解なのは、バイオネット社から支払われた豊川町の土地の代金が、実はアースハートの出した金だったことだ。アースハートからバイオネット社に、貸付のかたちで提供された資金の額は約8億円。そのうち約9,000万円が、ひのもとへの土地代金に化けているのである。バイオネット側の借金として残ってはいるが、アースハートの金が、傘下の宗教法人に移ったに過ぎない。そもそも、バイオネットの太陽光発電事業は、まともなものなのだろうか。
バイオネット研究所の計画によれば、愛知県豊川町の発電施設の発電出力は1メガワット(1,000kW)である。専門業者に確認したところ、太陽光発電パネルを利用した発電システムの建設単価は1kWあたりせいぜい30万円が相場。したがって、バイオ社が整備中の発電施設には、設備投資に3億円程度が投入されている計算となる。
一方、電力の買い取り価格は1kWあたり、37,8円である。大雑把ではあるが、一定の係数をかけると、1,000kW×24時間×365日×0.18×37.8円≒5,960万円――これが年間収入のMAXと見られる。発電施設の維持管理などに、相当額が消えることを考えれば、バイオネット社がアースハートへの返済をきちんと行なえるとは思えない。なぜなら、土地代と施設整備に4億円程度しかかからない計画に、8億円もの大金は必要あるまいし、発電事業が順調に推移しても、元手の倍の額を返せる仕組みにはなっていないからだ。8億円はどう使われたのか?
その謎を解く前に、もう少しバイオネット研究所の動きについて、取材結果を述べておきたい。
【特別取材班】
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