＜ラ・フォル・ジュルネ"鳥栖"＞
　前回お伝えしたように第４回のラ・フォル・ジュルネ"鳥栖"の開催が危ぶまれる状況ですが、一応過去３回の開催実績、効果等についてご紹介しておきます。

　まず、来場者総数です。
第１回（2011年）：６万9,481人
第２回（12年）：５万4,148人
第３回（13年）：７万1,261人
　以上のようになっています。

　初回はベートーヴェンがテーマであり、初開催ということもあって７万人近くの来場を見ております。２年目は、どんなイベントでも落ち込むものですが、この年は、チャイコフスキー等のロシア音楽がテーマで、少し馴染みが薄かったこともあったのかもしれません。

　そして、今年はモーツァルトがテーマです。７万人を越す大盛況でした。今年同じくモーツァルトをテーマに開催した新潟市（人口約80万人）の来場者数が８万人程度であったのに比べると、素晴らしい集客力を示したといって良いでしょう。もちろん、モーツァルト人気もあるでしょう。それに、過去2年に比べて公演数も増えています（11年、12年が87公演→13年97公演）。

　次に事業決算状況を見てみます。
第１回：8,799万円（収支とも）
第２回：6,730万円
第３回：6,376万円
　以上のようになっています。

　この決算状況で特筆すべきは、協賛金・寄付金の多さです。収入に占める協賛金・寄付金の割合は、第１回と第２回が37.0%、34.8％。第３回は46.3％にも上ります。鳥栖市を挙げての協賛金「営業」、寄付金募金の成果です。企業と鳥栖市民の関心の深さがうかがわれます。

　さて、この音楽イベント、どんな方が聴きに来られているのでしょう。第３回の来場者調査の結果が「ラ・フォル・ジュルネ鳥栖2013報告書」（13年７月）に掲載されています。これによって見てみましょう。

　サンプル数は425です。まず、男女比ですが、これは「40％：60％」で女性がやや多くなっています。年代は、30代から60代、70代と20％前後の割合でまんべんなく分布しています。これも大きな特徴だと言えます。
　たとえば、福岡市のアクロス福岡のシンフォニーホールで開催されるクラシック音楽の演奏会は、50歳、60歳以上の中高年層がほとんどと思えることもしばしばです（私もその１人ですが）。

　ラ・フォル・ジュルネの創設者ルネ・マルタン氏も、鳥栖の特徴は家族連れが多いことで、これが大変気に入っておられたとのことです。
　その通り、30代、40代のファミリー層の参加が多いようです（家族連れの割合は61％）。さらに居住地を見ますと、市内市外の割合が「47％：53％」と市外客の割合が半数を超えていることに注目です。

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