バイオネット研究所の太陽光発電事業への参入表明は昨年夏。それから取材した5月までの間に、中部電力との売電契約は締結されていなかった(中部電力豊橋営業所の担当職員に確認済み)。ところが、バイオネット研究所のホームページには、次のように記されている。
2013.2 中部電力 売買契約締結
2012.12 豊川市事業地区住民の方々説明会実施
2012.9 豊川市事業地区役員相談開始
2012.8 豊川市役所事前協議相談
2012.7 豊川「太陽光プロジェクト」始動しました。
2013年2月14日付けの記述(『中部電力 売買契約締結』)にはこうもある。
『中部電力との間で、弊社バイオネット研究所は発電した電気を売電する契約にこぎつけることができました。これも偏に皆様におかげさま。ありがとうございます』
時系列から言って、これは明らかな虚偽である。なぜ、こうした無理な事業を行なっているのか?
取材班は、再度堺市のバイオネット社を訪問した。しかし、何回行っても不在。やむなく同社に電話を入れ、代表者であるH氏をつかまえることができた。
H氏は、「忙しくて会えない。質問があれば、文書でお願いする」と言う。売電量について質問してみたが、バイオネット研究所のホームページに書いてある通りで、事業資金がいくらかかるかについては、そちらで計算すればわかると言う。ただ、この段階で中電との契約が、最終的なものではないことだけは、渋々認めた。やはりホームページの記載は虚偽だったということだ。
アースハートに対する強制捜査が始まったのは、事実上1月の末。事件が拡大することが確実視されるなか、こうした虚偽事項を公表したことになる。
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