<目標を達成する精神力>
重りを両足に付けて、20キロのリュックを背負って歩くなどの攻める健康法で、トレーニングを積み、2003年に、70歳でエベレスト登頂に初成功。その後、心臓手術を乗り越えて、75歳でも登頂を果たしたが、76歳の時には、スキーのジャンプで転倒し、骨折。骨盤を4カ所折る大ケガだった。「医者からは、心臓も手術しているので、高尾山(東京都・標高599メートル)に登るのも許可できないと言われた。あきらめていいはずだが、何としても80歳でも登りたいと思った」と、強固な信念。心は折れない。大ケガからのリハビリ、攻めるトレーニングに励み、3度目のエベレストにチャレンジした。
まず、80歳という年齢。心臓の手術をしたというマイナス面を考慮に入れ、「それまでの登り方、成功したやり方を捨てて、ゼロベースにして、どうすれば、今の自分に登れるのかの方法を探った。5月に登った時は、8500メートル地点で、世界最高所のお茶会もやった。楽しく、おもしろく、おいしくやろうと思ってやった。年を取ると、ケガだ、手術したなどといろんな理由が出てくるが、できない理由を考えるのではなく、できる方法を考える。可能性にチャレンジしようと思った」と、意志の力で、最高齢での登頂を成し遂げた。
<85歳でスキー滑降に挑戦!>
その精神力、気迫、パワーは、どこから湧き出てくるのか。「目標がなかったら、65歳を過ぎて、メタボのままだったと思う。言い尽くされているかもしれないが、目標、夢を持つこと。そこに、すべてがつながっている」。
三浦さんの挑戦は、まだまだ終わらない。85歳になったら、中国、ネパール国境にある世界6番目の高峰、チョ・オユー(標高8,201メートル)に登り、そこからスキーで滑降するという計画を立てている。いやはや、肉体面でも、精神面でも傑人だ。
高齢になってもチャレンジを続ける三浦さんの姿は、日本の高齢者たちだけでなく、メタボ予備軍の中年世代も元気づける。三浦さんの存在が、国民の健康づくりの意識向上に貢献していると同時に、高齢者の眠ろうとしている可能性を叩き起こすことにも一役買っている。
「国民が、元気に、幸せになることに1ミリでも役に立てたらいいと思う」。三浦さんの精神力、攻める健康法を1ミリでも見習いたい。
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