アジアのクラブチーム、No.1の座をかけて戦う「アジアチャンピオンズリーグ」の決勝戦が11月9日、広州市で開催された。対戦カードは中国の広州恒大と韓国のFCソウルで、結果は1対1の同点だったものの、ホームアンドアウェーの総得点の関係から、広州恒大が優勝というものだった。
終了のホイッスルが鳴った直後に事件は起きた。なんと、スタジアムの電光掲示板に「FCソウル、準優勝おめでとう」と大きく表示されたのだ。そのことに、韓国メディアが反応した。試合を伝える報道での見出しは、「傲慢な広州」、「相手を侮辱する広州に、スポーツマン精神なし」などとし、試合結果よりも中国サイドのモラルについて、大きくクローズアップした報道がなされた。ある韓国メディアは「スポーツは常に公正な競争精神で争うもので、結果だけを追求せず、相手チームのファイトを尊重する精神を損なってはいけない」と締めくくっている。
広州恒大のファンサイトでは、「相手をねぎらうために掲げた文言が裏目に出てしまったのでは」と擁護している。また、広州チームが韓国に遠征した際、待遇が悪かったことや、試合中のFCソウルの監督の暴言などの態度の悪さを非難する書き込みも見られ、アジアNo.1とNo.2の試合とは程遠い、泥仕合の様相を呈している。
「スポーツの世界に国境はない」と言われ続けているが、些細なことから、各国メディアが反応し、隣国を非難するプロパガンダへとつながっていくようで、悲しいものである。
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