高島市政に強い問題意識を持つ市民グループが、高島宗一郎福岡市長のリコール成立を目指し、賛同者の募集を開始した。首長のリコールは、有効署名が一定数を超えることで住民投票が実施され、過半数の賛成で『解職』となる。政令市長がリコールの対象となれば全国初。政令市では、2010年から11年にかけて行なわれた名古屋市議会リコールが唯一の事例となっている。

　９日、同日付で発足した市民グループ「福岡市長リコール市民の会」（以下、リコール市民の会）は記者会見を開き、専用のホームページで賛同者の募集を開始（関連リンク参照）したことを発表した。このグループは、中央保育園移転問題で現在の移転予定地に反対する保護者の会を中心に結成。保護者の会の堀田剛会長が会長を交代し、リコール市民の会の会長を務める。

　堀田氏は、「中央保育園の問題がきっかけで、市議会を傍聴し、150万都市の意思決定が稚拙との思いが芽生えた。福岡市民にずさんな市政運営の事実を知ってもらいたい」とのコメント。現市政に問題意識を抱く他市民グループから協力の申し出が数件寄せられているという。

　リコール市民の会がいう『高島市長に市政を託せない理由』は、中央保育園移転問題でも浮き彫りになった高島市長の軽率な財政支出、いわゆる「税金のムダ遣い」だ。約4,000万円の調査費などをかけて作成され、市議会の承認を受けていた当初の現地建て替え計画を高島市長の独断で破棄し、そもそも必要のなかった約９億円が土地購入に費やされた。

　このほか、車体購入費で約１億4,000万円を西鉄に助成し、事業の収支は「不明」というオープントップバス事業。人気アイドルの一言がきっかけで始まったＰＲ事業「福岡市カワイイ区」には、設立費用と存続するためのリニューアル費に、それぞれ約1,000万円ずつが大手広告代理店に支払われた。"国内出張ではファーストクラス利用かつ宿泊がほとんど"という公費支出に無頓着な一面も明らかになっている。

　市債残高約２兆4,000億円という財政難が続く福岡市では、高島市政以前からムダな支出がないかどうか厳しく問われてきた。しかし、高島市長が知恵を絞って行なったのはムダの削減ではなく、目盛りを操作し、あたかも市の借金が急激に減っているような印象を与える市債残高グラフの作成だった。それを掲載したパンフレットは市民に配布され、市役所１階の情報プラザにも配置されていた。（詳細はコチラ）

　地方自治法第76条に定められた解職請求に必要とされる署名数は、人口80万を超える地方公共団体の場合、「80万を超える数の８分の１、40万の６分の１、40万の３分の１を足した数」となる。2013年12月現在で、有権者数が約118万人の福岡市の場合、必要署名数は24.7万人。リコール市民の会は、無効署名とされる分を考えて30万を目標に定めている。

▼関連リンク
・福岡市長リコール市民の会ＨＰ

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