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コダマの核心

『モンゴル国』との戦略同盟の結成が緊急の課題(後)
コダマの核心
2013年12月11日 09:00

<住友グループが先頭を走る>
 韓国仁川国際空港からウランバートルまで、1日2便の直行便が飛んでいる。それだけ往来が活発ということだ。モンゴルも当初は韓国の投資に対してウェルカムであった。だが、韓国は素行が悪く顰蹙を買っているそうだ。日本側も「歓迎・熱烈歓迎」の声に傲慢になってはいけない。『尊敬される日本魂』を貫いて活動しなければなるまい。広大な国であるが、人口は少ない。すぐに噂になる。慎み深い行動が求められる。

タバントルゴイ炭田 日本の企業で先頭を走っているのは、住友グループである。住友商事はモンゴル政府から頼まれて携帯通信事業を立ち上げた。人口290万人だから、ケタ違いのビジネスは期待できない。住友グループの強力な1社である住友金属は、モンゴルの南ゴビ砂漠にあるタバントルゴイ炭田に投資をしている。日本の大企業では、住友グループの信頼は絶大のようだ。
 それに続くのが、澤田ホールディングスである。ハーン銀行に投資したのが2000年であり、先発隊だから先行者利得を得ているようだ。また、ソフトバンクの孫グループの広報活動は、派手で目立つ。『モンゴルから太陽再生エネルギーを東アジア一帯に送電線網を広げよう』というインパクトあるキャッチフレーズが独り歩きしているが、モンゴル地元での動きはあまり派手な動きが見かけられない。要約すると、日本勢は立ち遅れているのである。

<農産物輸出サポートが面白い>
 日本企業にとって、エネルギー資源開発は魅力的である。資金を投入すれば、無限の果実を得る可能性が高い。だが、この分野は特定業種で、該当企業には限度がある。エネルギー資源を除いてモンゴルに投資する、ビジネスする場合のネックは、人口の絶対量が少ない、市場が狭いということだ。日本の大企業が投資に対して二の足を踏む厳然たる理由がある。探せばエネルギー資源の確保、インフラ整備への投資などたくさんある。

 意外と穴場は、モンゴルの農産物の輸出である(日本から見たら輸入)。モンゴルには牛・馬・羊などの家畜類が4,000万頭以上いる。この食肉の輸出の活路に、モンゴル政府は躍起になっている。この地味な分野に愛の手を差し伸べられれば、ハッピーな結果を生み出すと思われる。相手が望むものに速やかに解決できる細やかな気配り・実行が、日本の特性として『韓国とは違う』と先方が感謝してくれるはずだ。

 どうであれ日本国がアジアで生き残っていくには、戦略同盟国との強固な結束が必要である。中国経済の発展とともに、対外膨張政策を果敢に打って出るであろう。韓国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、インドなどとの関係構築が、急務の検討課題になっている。そのなかでもモンゴルの場合は、相手からラブコールをかけてくれているのだ。迅速な行動が求められているのである。

(了)

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(※このレポートは、建築家の有馬裕之氏への取材をもとにとりまとめた)。


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