太陽光発電システム販売で業績を拡大し中洲での飲食事業への進出を表明したロハス電力（株）グループ。同社については頻発する役員交代を報じたが、その後、営業手法をめぐりデータ・マックスへの告発があった。取材したところ、グループ企業をめぐる合弁先とのトラブル説も発覚。組織の実状について前代表の内田俊一郎に真相を聞いた（取材は11月中旬）。

＜内田俊一郎氏の実父も取締役辞任＞
　ロハス電力（株）単体での成長は続いている。2013年６月期の売上高は32億2,701万円。前年の売上高18億1,093万円から78％の増収だ。営業、経常ともに利益率４％台を確保している。ただし、自己資本比率は前年の13.2％から9.3％に低下。総資本拡大スピードに内部留保の蓄積が追い付いていない。

　現ロハス電力（旧ロハスソーラージャパン）は、07年７月に長崎県で設立された。現代表が高校時代に留学先のオーストラリアで太陽光発電の存在に興味を抱いたのがきっかけとされる。豊富な取り扱いメーカーを強みに業績を急拡大させてきた。11年１月に持ち株制を導入してロハスホールディングス（株）を東京・六本木ヒルズに設立した（12年11月に福岡市に移転）。同社も12年１月に本社を福岡市博多区に移し、さらなる業容拡大に備えた。

　こうしたなかで、昨年に大きく組織変更を行なった。大手流通業出身の同社の当時の社長が辞任し、俊一郎氏の実父である内田俊博氏が社長に就任。ホールディングス社の社長を務めていた俊一郎氏は４月に辞任、グループ企業代表からいったん退いた。ところが、そのわずか数カ月後12年11月に俊一郎氏はホールディングス社代表に復帰すると、12年12月にスペイン企業との合弁でヘリオスジャパン（株）を設立し代表に就任。そして、今年４月に現ロハス電力にも就任した。

　昨年４月に在籍していた取締役が今年４月に一新されていることは、今年６月の本誌およびNET-IB上で報じた。その後もロハス電力の４名の取締役が退いているが、役員交代が頻発している理由について「すべて退職しているわけではない。一部は執行役員にして別会社の取締役にしている。退職した人は付いて来れないだけ。取締役には３カ月をメドに結果を求める」とコメント。組織面に課題はないとの見解を示した。

　今年４月は実父の俊博氏も代表を辞任しているが、その経緯について「事業説明ができないことが最大の問題だった」と、代表としての力量不足だったことを指摘している。両者の話し合いのもとでの結論だったこと、そして俊博氏が現在は相談役を勤めていることを説明しており、良好な関係が継続していることを強調している。

　だが、取材の過程において判明したのは、一般社員も定着率が著しく低いと指摘する声だ。昨年半年間で入社した人数に匹敵する人数が退職したという指摘もある。この件について俊一郎氏は「全部退社してはやっていけない。半分程度」とコメント。その半分についても「訪問販売部門をなくしたのでタイミングが重なったのではないか。部門が増えているので全社的な人数は増えている」と否定している。

｜　（後）　≫

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：山之内　博
所在地：福岡市中央区渡辺通２-１-82
設　立：2007年７月
資本金：5,000万円
業　種：太陽光発電システム販売・施工ほか
売上高：（13/６）32億2,701万円

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