熊本県内の公立高校として初めて修学旅行先に「台湾」を選んだ大津高校の1年生が、今年も台湾への修学旅行を行なった。同校が修学旅行で台湾を訪れるのは今年で3回目、今年も無事、日程を消化した。
参加したのは、1学年の生徒、緒方一夫校長を含む教師陣に、PTA役員や同窓会のメンバーも加えた合計約350名。4日朝7時、大津高校に集合し、阿蘇くまもと空港へと移動した。空港には中華航空九州山口支店の曾煜屏支店長らも見送りに駆けつけた。
生徒たちが利用したのは中華航空のチャーター便。搭乗の際、機内では大津高校の校歌が放送され、歓迎ムードに包まれた。午後、台北に到着した生徒たちは、青い屋根と白い大理石の紀念堂が色鮮やかな中正紀念堂、世界四大博物館の一つで歴代中国皇帝のコレクションを収蔵する故宮博物院を訪問。美術コースは鶯歌の陶磁器博物館や李梅樹博物館を訪れた。翌日は、平渓線をはじめ淡水など台湾有数の景勝地を見学。理数科はサイエンスパークを視察し、美術コースは台北市美術館を訪れた。
3日目は、新北市立海山高級中学校の学生たちと交流会を開催した。今年は、同校の訪問団の大津高校訪問も実現しており、両校の関係は親密になっている。学校紹介のプレゼンテーション、バスケットボールや卓球のスポーツ交流試合、授業参観などを行ない、親睦を深めた。最終日は、高さ508mで台北の街を一望できるランドマークタワー台北101の展望台などを巡った後、桃園空港から夕方熊本に帰国した。
大津高校の緒方一夫校長は「天候にも恵まれ生徒たちにとっての収穫や満足感も大きかったようだ。海山高級中学からは多大なる歓待を受け、バスケットボールやバレーボールの試合も行なうなど両校で充実した交流ができた。生徒たちが楽しみにしていた台北市内の自由行動でも、現地の方々との内容の濃いコミュニケーションが取れたようだ。来年以降も台湾への修学旅行を実施していきたい」と述べた。中華航空九州山口支店の曾煜屏支店長は「台湾の学生との交流以外にも故宮博物館や鶯歌の陶瓷器博物館、新竹サイエンスパークなど様々な場所を訪れ、意味の深い修学旅行になったのではないか。学生たちにはグルメや人情を含め、台湾の多彩な文化を体験することで幅広く国際感覚を養って欲しい。また、旅行をもとに自分の将来への糧にして欲しい」と話した。
台湾を「修学旅行」の場として選択する学校が増加しており、今後、教育の場でも台湾の「安全さ」「人のフレンドリーさ」は更に注目されそうだ。
※記事へのご意見はこちら