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企業再建の道は損益計算書(P/L)から始まる(後)~企業再建・承継コンサルタント(協)代表理事、アセットパートナーズグループCEO 真部敏巳氏
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2013年12月18日 07:00

 中小企業金融円滑化法が今年3月31日で時限立法最終期限を迎え、中小企業の経営支援を実施し、多くの企業再建を手がけてきた企業再建・承継コンサルタント(協)(略称:CRC)の代表理事で、アセットパートナーズグループCEOの真部敏巳氏のもとにも多くの相談案件が集まっているという。「中小企業の基本は損益計算書(P/L)の改善である」と断言する真部氏は、今、企業判断を正しく行なえる専門家が増えることを切に願っている。

(聞き手:データ・マックスグループ、経営実務支援センター 中尾勉代表)

<専門家同士が連携し守備範囲を広げることが大切>
 ――この表は、企業診断のものさしのようなものですね。

2013.7.1_s.jpg 真部敏巳氏(以下、真部) 形から、私共では「十字架」と呼んでいます。企業支援の担当となられた方は、まずこの表を利用して対象企業の状況を把握することから始めるといいです。これを見ると、B/SがプラスでもP/Lがマイナス状態となっていれば廃業の見極めが必要な場合があることがわかるでしょう。逆にB/SがマイナスでもP/Lがプラスであれば、思い切った資金繰り、資金調達の支援が有効に働くこともあります。そのような状態のときに財務リストラを行なっては安定していた経営が悪化する場合もあります。またB/Sがプラスだからといって借入を増やしてしまっては、いざ融資を引き上げられたときに経営基盤の脆弱さが表に出て破綻することだってありえます。中小企業もB/Sが悪いとばかり言われていては再建努力をする前に意気消沈してしまうかもしれない。しかしP/Lでは良い面もあり、これを強みにできるとわかれば意欲も沸くでしょう。企業再建は人的資源にかかっているのですから、やる気を起こさせることはとても大切ですね。

 これを元に企業の立ち位置を判断したうえで、次に行なって欲しいことは企業が抱える問題に合った専門家の協力を得ることです。経営改善を、税理士や会計士の方々で行なうのは無理があります。もちろんその逆もまた然りです。例えば、身体の具合が悪ければ医者に行きますが、歯が痛いのに胃腸科に行く人はいないのと同じことです。医者なら誰でも良いわけではありませんね。専門外の指導が必要な場合は、ご自分の力だけで解消しようとせず、その道に強い専門家とチームを組んでいただきたい。そうでないと、正しい企業再建支援は行なえません。

 ――CRCは、適材適所に専門家を紹介するシステムを構築していらっしゃるようですね。

真部敏巳氏 真部 それこそが弊社の強みですね。問題を抱えた企業の方と面談し、適材適所の専門家をご紹介することに関しては自信があります。ただこの自信は、私共が実際に何千件もの企業を観て診断を行なってきた結果得られたものです。一朝一夕に得られるものではありません。企業支援を担当される方は、専門以外のことは専門家の協力を仰ぎ、経験を積まれることでご自分の守備範囲を広げていって欲しいと思います。これからの時代、企業支援を必要とする企業は増えるでしょう。そのときに、本当に頼れる専門家が増えて欲しいと願いますし、企業自体も自社を見極める目を肥やして欲しいと思います。

 ――ありがとうございました。

(了)
【文・構成:黒岩 理恵子】

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