中国や台湾の映画やドラマを見る際、必要なのは「単語」の意味を理解することだが、中華圏の会話では、四字熟語などの「成語」が出てくることが意外と多いことに気づくかもしれない。日本語では故事成語やことわざにあたる「成語」だが、習得してしまえば「単語よりも細やかに動作や心情を表現できる」というメリットもある。今回は、中国や台湾の映画やドラマ作品に頻出する「成語(四字熟語)」をご紹介する。
一见钟情(イーチェンジョンチン)
「恋愛ドラマ」で非常によく出てくる単語で、「一目惚れ」の意味。ストーリー展開にスピード感が必要とされる映像作品では、一见钟情のシーンがよくある。さらには、作品には、現実にはなかなかいないような美男美女が登場するため、一见钟情のシーンを作りやすい。
白头偕老(バイトウシエラオ)
「白髪の生えるまで添い遂げること」の意味。結婚を控えたカップルなどに周囲が言ったりする言葉だが、ドラマでは、だいたいこの後に破局が訪れたりするものだ。浮かれ気分の後に、急激に落とすのがフィクションの定番だ。
迫不及待(ポープジータイ)
「待ちきれずにソワソワしている様子」を指す。急ぎの用事が発生し、迫不及待な様子で出ていく登場人物。そして事故が起こったりする。
莫名其妙(モーミンチーミャオ)
「訳が分からない、不思議だ」という意味。事柄に多く使うが、人物に使うこともある。排他的なニュアンスを表す。「莫名其妙な人物だ!」と毒づいていたら、のちに重要人物だということを知り気まずくなる・・・、といった展開に使われる。
物美价廉(ウーメイジャーリエン)
市場やスーパーマーケットで登場人物が買い物をするシーン等で店員がよく口にする言葉。「品質がよくて値段も安い」という意味。日本では店員が積極的に「品質はいいよ!」などと言葉にして客寄せをするというシーンはほとんどないが、中華圏では「そういうことを言う方が逆にうさん臭い」と思うようなことでも叫んでアピールする。
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