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脱原発・新エネルギー

変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(4)
脱原発・新エネルギー
2013年12月26日 07:00

<市民出資型エネルギーの息吹>
fukei3.jpg 京都市でも、屋根にソーラーパネルを設置し、市民出資で運営する市民協働発電制度が動き始めている。
 エネルギーは地域の資源であり、地域で"生産するんだ"というマインドは出てきている。京都大学経済学部の植田和弘教授は、再生可能エネルギーのさらなる拡大には人材が必要であると指摘する。「エネルギーの分野で、ソーシャルイノベーション(社会変革)が起ころうとしている。ただ、変化には、ファイナンスの専門家といった人材が必要。日本の場合、自治体や、地域の金融機関が果たす役割は大きいと思う。首長にも担当者のなかにも熱心な人はいる。自治体と地域の市民が協働できるかどうか。お金、制度、活動しやすい環境づくりが大事」という。「地域エネルギー金融」の仕組みができ、人材が育てば、よりエネルギーの分散化が加速するというのだ。

<地域でエネルギーを経営する>
 江戸時代の日本では今よりも地域とお金の関連性が強かったという。地域で金銭を融通し合った「頼母子講」や、地域で金銭を集め、庶民の相互扶助を行なう無尽など、地域金融のあり方は、現在よりも多様だった。

 近現代に入り、地域主体でお金が回る仕組みから、国家財政にお金が回る体制に移行し、大都市にお金が集中しやすい経済の流れができた。
 エネルギーに関しても、金融の流れと同じように、一極集中しやすい形ができた。発送電が一括化され、9つの電力会社による地域独占の形が作られた。地域のお金が地域で回るのではなく、エネルギーのお金に関して言えば、地域で独占する電力会社に地域のお金が吸い取られていった。

 地域主導による自然エネルギー創出の形ができれば、このお金の流れを変えることができる。「みんなでエネルギーを作り、みんなで消費したり売ったりする」という仕組みができれば、地域に雇用が生まれる。長期的に見て、地域で経済が回れば、大都市への人口流出を防ぎ、一極集中を崩すことにもなる。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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