福岡県は来月、台湾貿易センター国際企業人材育成センター(ITI)が実施する研修プログラムの研修生受け入れを行なう。この事業は、福岡県とITIが共同で主催、研修生に、日本企業での実務経験を通して日本のビジネス習慣、社会習慣、企業ルールなどを学んでもらおうという主旨で、2003年に始まった。
台湾側は、日本企業と交流を持つことで、台湾企業の国際競争力強化と世界市場進出を狙えるメリットがある。これまで約230名を受け入れ、このプログラムの卒業生の多くが、台湾の大企業に就職した。ITIは、日本の経済産業省にあたる「台湾・経済部の委託を受けた台湾貿易センターが解説した教育機関。仕事をしながら語学や貿易実務を学べるコースなど、「実践的なビジネス感覚を形成できる教育機関」として知られ、台湾企業からは「大学院マスター卒業程度」の待遇で採用。高い関門をくぐり抜けた台湾のエリート候補生達が、毎年、福岡で研修を行なっている。卒業生と、実務研修を行なった福岡県内の企業で構成する「福岡・台湾経済人クラブ」も組織され、親密な交流が続いている。
受け入れに向け、福岡県は先月台湾・新竹市で説明会を実施。福岡県の概要、研修内容や受け入れ企業の概要、日本生活での留意点を説明するとともに、受入予定企業である九州旅客鉄道、NTTコムウェア九州の担当者らとの意見交換会も実施した。
受け入れは1月19日で、福岡県内の食品、小売、マスコミ、広告、人材派遣等の分野の企業に配属され、約3週間にわたり研修を行なう予定。期間中は福岡県庁への表敬訪問も行なわれる運びだ。福岡県では「研修プログラムを通じ、台湾との経済交流やネットワーク構築をさらに進めたい」としている。
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