年末、アメヤ横丁商店街には、近隣に住む人たちが正月用の食材を買いにくる。昼時になれば、観光客が増え、歩けないほど人でごった返す。10数年前と違って、年末年始にはコンビニもファミレスも開いている。年越し用の食材を買いためる必要はなくなったが、海鮮物などをアメ横のなじみの店に買い求めに来る人は今も多い。
かつて、東北本線の始発口があった上野駅。現在も、東北新幹線のターミナル駅として、多くの人が行き交う。東北地方出身の人にとっては、初めての東京となることが多い上野界隈。NHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」では、東京編の舞台となり、アメ横は撮影場所となった。
1980~90年代に上野アメ横を闊歩し、テレフォンカードを売っていたイラン人に代わって、最近は、アメ横を歩くアジア系の人々の言葉の多くは中国語。付近の東上野にコリアンタウンがあり、食材を探しにくる韓国人の姿もよく見かける。裏通りには、洋服ショップでアフリカ系の店員が働く。この界隈は人種のるつぼでもある。
「もう1個おまけを付けて、1,000円!」と威勢のいいアメ横名物、チョコの叩き売り。「千葉県産、1,000円では買えないよ!」と、落花生を売っている売り子の声。アメ横センターの看板には、「アメ横女学園ロケ地です」の文字。カバン屋の閉店セール。これにて閉店と言いながら、1カ月後にも開いている。海鮮物の市場から韓国食材店、タイ料理店、ケバブ屋から靴屋、服飾品屋まで多様な商品がここに集まる。
年明けを待つ上野界隈。新年明けてからも、アメ横には、安い食材を求めて、多くの客でにぎわう。
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