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脱原発・新エネルギー

日本エネルギー改革論(3)~自民党・河野太郎衆議院議員×環境エネルギー政策研究所所長・飯田哲也氏
脱原発・新エネルギー
2014年1月 3日 07:00

 脱原発から再生可能エネルギーへのシフト実現のカギを握る自民党・河野太郎衆院議員と、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長。長期的視野のもと、日本はどのようなエネルギー戦略を立てるべきか。脱原発、エネルギーシフトを成し遂げるために、市民は何を心がければいいのか。改革の志士でもある2人に、日本のエネルギー政策の未来を語ってもらった。

<ドイツは合理的なエネルギー改革をやっている>
脱原発の声を上げ続ける飯田哲也氏 飯田哲也氏(以下、飯田) 3.11が起こって、経産省にも「輸出するのはヤバいかな」と考えを変えた官僚はたくさんいる。根性入れてやっている人はあまりいないのではないか。企業側は、三菱重工が、アメリカで4,000億円という巨額訴訟になって、びびっています。日立も勇み足だったかと思っている人も少なくない。ただ、6,000億円を投じてウェスチングハウスを買った東芝だけは、原発輸出に命運をかけている。前のめりになっている東芝の一部の人が、もう後には引けないので、国を巻き込んで推進している。そのリスクがわかっていない。

 河野太郎氏(以下、河野) その点、ドイツは、経済合理性に合ったエネルギーシフトをやっているなという印象を抱いた。詳しく見ると、ドイツは電力を輸出しています。2012年は輸出量が最大になっていますし、海外から買っている電力価格よりも、ドイツが海外に売る価格の方が高い。交易条件も良い。なおかつ、再生可能エネルギーが増えていくと、一時的に需要より供給が増えていったり、需要と供給の差が大きくなったりしたときにどうするかなどという問題点を認識して、解決策を議論している。
 今ある目標を、どこまで高めるかという議論をしている。やっぱりドイツはいいなと思った。日本でも、小泉さんが言っているように、「いつまでにこうしよう!」と、政治が決めて、旗振ったらできる。みんなそれに向かって努力するじゃないか。

 飯田 20年前のインターネット、10年前のフェイスブックと同じようなことが、自然エネルギー分野で起こっているのに、日本は背を向けている。小泉さんが、「郵政よりもブラックだ」とおっしゃっていましたが、暗い闇がある。

 河野 分散型エネルギーを進めていけば、地域でお金が回る。9つの電力会社が、一極集中で、大型火力発電を行なって地域で独占して売っているというのが今の日本のビジネスモデルですが、ドイツなんかは、設備容量の何割かは、個人と組合が持っている。ほぼ半分ぐらいの割合かな。いろいろな人が電気をつくって売っていますというビジネスモデルに移行している。そこにお金が落ちてきますというシステム。そうすると、地域経済にもお金が回る。

 飯田 長野県やドイツの研究所の試算によると、地域内の企業がエネルギーをつくると、経済効果が2倍~4倍ぐらいに高まると言われています。地域で仕事が生まれてくる。

 河野 自然エネルギーにシフトするなかで、生まれるビジネスもある。太陽光発電では、メガソーラーの掃除をするのが大変。そこで、ソーラーパネルに薄いフィルムを貼って、それを剥がして掃除をする。太陽光が広がったことで、フィルム屋さんが活気づいている。いろいろなところに使える技術がある。派生効果があるんじゃないか。

 飯田 そういうのを自民党でやらないんですか(笑)?。

 河野 今、自民党のなかにも、一生懸命、再生可能エネルギーをどうやって増やすかというのを考えている議員の集まりもある。そういう自民党もあれば、「原発つくれー」と言っている自民党もある。そこが、自民党をわかりにくくしているという部分はあるけれども...。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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<プロフィール>
河野太郎河野 太郎(こうの・たろう)
1963年生まれ。81年慶應義塾大学経済学部入学。84年ポーランド中央計画統計大学留学。85年ジョージタウン大学卒業。86年富士ゼロックス(株)入社。93年日本端子(株)入社。96年第41回衆議院総選挙で初当選。2002年総務大臣政務官に就任。05年法務副大臣に就任。08年衆議院外務委員長就任。09年自由民主党総裁選挙で次点。12年第46回衆議院総選挙にて神奈川第15区で6回目の当選。

<プロフィール>
飯田哲也飯田 哲也(いいだ・てつなり)
1959年生まれ。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修士課程修了。東京大学先端科学技術センター博士課程修了。原子力産業や安全規制に従事後、「原子力ムラ」を脱出。北欧での研究活動や非営利活動を経て、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)を設立。持続可能なエネルギー政策の実現を目指し、地方自治体や国の審議会委員を務める。世界中に幅広いネットワークを持ち、とくに3.11以降、世論をリードするエネルギー戦略を打ち出す。


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