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脱原発・新エネルギー

日本エネルギー改革論(4)~自民党・河野太郎衆議院議員×環境エネルギー政策研究所所長・飯田哲也氏
脱原発・新エネルギー
2014年1月 4日 07:00

 脱原発から再生可能エネルギーへのシフト実現のカギを握る自民党・河野太郎衆院議員と、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長。長期的視野のもと、日本はどのようなエネルギー戦略を立てるべきか。脱原発、エネルギーシフトを成し遂げるために、市民は何を心がければいいのか。改革の志士でもある2人に、日本のエネルギー政策の未来を語ってもらった。

<脱化石、脱中東を進める必要がある>
自民党・河野太郎衆議院議員 河野太郎氏(以下、河野) 早い段階で再生可能エネルギーを増やしておかないといけないという思いはある。長い目で見ると、脱化石を進めるために、必要な先行投資だと思う。今後、世界の情勢を見ると、石油などの化石燃料は値段が上がるでしょう。原子力は、炊いているうちはいいけど、「核のゴミ処理をどうするの?」という問題が残っている。
 中国、インドが中東の石油、ガスを取りにいくと地政学的にもさまざまな問題が出てくる。アメリカは、シェールガスが出てきて、2030年には資源輸出国になる。アメリカが中東にコミットしなくなるのではないか。そうすると、日本はシーレーン(海上交通路)をどう守っていくかというのがある。その辺の将来も見据えて、日本は、エネルギーをどうするのかを考えていかなければならない。

 飯田哲也氏 日本では、新自由主義がきちんと受け止められてこなかった。1980年代の行きすぎた「規制いらない」という新自由主義が、誤解されて受け止められた。ドイツ、北欧は、そこをきちんとうまく受け止め、吸収した。エネルギーの分野でも、市場の原理をうまく使うことをやった。
 河野さんの言う脱化石、脱中東を成し遂げるために、今、発送電分離をやり、再生可能エネルギーの拡大をしていかなければならないと思います。

 河野 国防をするために原発が必要という議論もあるが、それは嘘だ。ウランで核武装するためには、ウランを燃やす原発ではなく、ウラン濃縮施設が必要。仮に、百歩譲って核武装した方が良いとなったとして、核実験をどうするのか?核実験を日本のどこでやるのか。仮に場所があって「実験しました」となったとしても、海外からウランの供給が止まる。原発のウランは100%海外のものなので、ウランが入ってこなくなり、原発は止まる。核兵器と原発の関係は、むしろネガティブな関係にある。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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<プロフィール>
河野太郎河野 太郎(こうの・たろう)
1963年生まれ。81年慶應義塾大学経済学部入学。84年ポーランド中央計画統計大学留学。85年ジョージタウン大学卒業。86年富士ゼロックス(株)入社。93年日本端子(株)入社。96年第41回衆議院総選挙で初当選。2002年総務大臣政務官に就任。05年法務副大臣に就任。08年衆議院外務委員長就任。09年自由民主党総裁選挙で次点。12年第46回衆議院総選挙にて神奈川第15区で6回目の当選。

<プロフィール>
飯田哲也飯田 哲也(いいだ・てつなり)
1959年生まれ。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修士課程修了。東京大学先端科学技術センター博士課程修了。原子力産業や安全規制に従事後、「原子力ムラ」を脱出。北欧での研究活動や非営利活動を経て、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)を設立。持続可能なエネルギー政策の実現を目指し、地方自治体や国の審議会委員を務める。世界中に幅広いネットワークを持ち、とくに3.11以降、世論をリードするエネルギー戦略を打ち出す。


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