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コダマの核心

企業・人、再生シリーズ(37)~再生させるのは経営者魂~野方菱光・林社長(後)
コダマの核心
2014年1月 7日 07:00

<生コンミキサー車の供給>
 さっそく、「何をやるべきか、何が一番、貢献して喜ばれるか」をリサーチして思案した。「災害復興が本格化すれば、生コンの需要が急増する。被災地区を回ってみると、ミキサー車が少ないようだ。この車の提供ビジネス(雇車)はいかがなものか」との結論に達した。福岡においても、ミキサー車のチャーター業を行なってきた。手慣れたものである。被災地区の現地にある生コン製造協同組合に打診してみた。「いや、これからは車の足りないことが予想される。悩みを解決していただけるならありがたい」と、各生コン協組は賛意を表明してくれた。

 震災復興ビジネスを具体的に決めてから、準備に半年を要した。ミキサー車の購入(最終的には48台投入)に始まり、現地拠点の確保(仙台市・石巻市・南三陸町、気仙沼市の4カ所。仙台市は地下鉄工事用)に奔走した。さらに人材要員にも工夫して、最終的には8名を派遣することになった。現地では、ミキサー車の運転手の採用にも着手した。あまり高給で採用したら同業者から顰蹙を買う恐れがあるから、慎重に根回しを行なった。

野方菱光・林社長 実質、稼働は2012年1月からである。3月になると復興工事が本格化するようになる。ミキサー車のチャーター稼働率は100%を超えるフル稼働になった。林社長は陣頭指揮にあたったが、2012年の1年間で福岡にいたのは、30日足らずだったそうだ。被災地区での取引は、各地区の生コン協組である。言うなれば裏方作業だ。だから、野方菱光グループの名前は表には出ない。どうであれ12年の1年間で、津波被害の瓦礫・ごみなどの処理が進んだ。13年になると、復興工事の第二期に漸次、移行していたのである(造成・建設工事)。

<関東圏へ進出戦略>
 2年間の震災復興の最前線での奮闘した経験を踏まえて、林社長は語る。
 「『コンクリートは邪悪なもの』というイメージを払拭できて満足している。自らが復興工事の一端を担うなかで、生コンの重要性(社会インフラに貢献)を改めて認識できた。ここに来て、私自身も事業意欲が強まってきた。企業の活性化を図れるのは、経営者のマインドと舵取り如何であることを再確認した。しかし、この2年間はがむしゃらだった」。

 12年7月には、福岡南部で水害が発生した。各地区で自然環境の異変で災害が起きている。復興工事の予算が執行されてきて、業界は多忙期を迎えた。「自民党政権が誕生して国土強靭化政策が具体化されてきた。お陰で我々の業界も様変わりしている。この機会に各企業の体質改善を図らないと、元の木阿弥になるだろう」と林社長は業界の現状に対する警告を発する。
 2014年は新たな二期工事に本格的に移行していく。一方では、「震災復興工事のヤマはあと4年は続く」とみる。

 「4年過ぎれば福岡に引き上げるのか?」と意地悪な質問を投げかけてみた。「いや、そんなことはしない。この2年間の悪戦苦闘の戦いを経て、福岡の田舎モンから世界へと視野が広がった経営者になった。福岡は、自分がいなくともグループ運営は充分に可能であることが証明されたから、懸念することはない。次のターゲットは、東京を含めた関東圏への進出である。市場がケタ違いに大きい。まず、マーケティングの調査から着手する」と次の新展開を披露する林社長。やはり、会社組織が萎えるのも活性化できるのも、経営者のスピリット精神次第だということだ。

(了)

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<COMPANY INFORMATION>
野方菱光(株)
代 表:林 宗一
所在地:福岡市西区大字飯盛425-1
設 立:1978年5月
資本金:4,030万円


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