7日、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が、猪瀬直樹東京都知事の辞職にともない実施される東京都知事選に立候補することを正式に表明した。東京都知事選への出馬を明らかにしたのは、元日弁連会長の宇都宮健児氏に次いで2番目。田母神氏は福島県出身。2008年に航空幕僚長在職中、民間企業が主催した懸賞論文で歴史認識についての論文を発表したところ、文民統制に反するとして更迭された。
会見には、元東京都知事で、日本維新の会共同代表の石原慎太郎氏が駆けつけ、作曲家のすぎやまこういち氏、元国土交通大臣の中山成彬氏など田母神氏に近い保守系の賛同者も同席。賛同者の1人で一昨年、尖閣諸島に上陸した小坂英二荒川区議が会見の模様をフェイスブックに投稿し、逐一状況を報告した。
田母神氏は、「東京オリンピックがあるというなかで、東京の強靭化対策を、大災害が起きたときの都民を救済する対策をきちんと固めたい」と、防災対策に言及。東京は、直下型地震が想定されており、首都高速道路や橋梁など老朽化したインフラの整備が急務となっている。それらの耐震化を進めつつ、自身の自衛隊での経験を生かし、「自衛隊、警察・消防、その他団体と連携する救助体制を整えたい」と語った。
また、かねてからの持論である戦後教育を批判。「日本に誇りを持つ子供たちを育てる教育を進めたい」との思いも強調した。石原氏は、「田母神さんのような人物が立候補してくれるというのは、都民として、国民としてありがたい」と激励。田母神氏を個人的な立場で支援するとした。
告示まで3週間をきるなか、自民・民主両党ともに候補者選定が難航。宇都宮氏に続く田母神氏の出馬表明で両党の動向に注目が集まる。
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