中国人とカラオケに行く場合、日本人が歌って場が盛り上がる代表的な曲は、SMAPの「世界に一つだけの花」と酒井法子さんの「碧いうさぎ」と言われている。SMAPは、アジア圏で圧倒的な人気。一方、酒井法子さんは以前、日本である程度の人気・知名度を得ていたが、中国では出演ドラマの「星の金貨」が大流行している。中国では山口百恵さん、酒井法子さん、台湾では松田聖子さんの知名度が圧倒的だ。
これらはテレビ番組が現地にどのように流入したかによって違う。台湾には、日本の歌番組が流入した結果、中国大陸での人気とはまた違う傾向が出ている。韓国の地上波テレビ局では、中国同様に日本語番組の放送が不可なため、韓国では綾瀬はるかさんや蒼井優さん、オダギリジョーなど、映画出演で火がついた俳優・女優らの人気が高い。
酒井法子さんに対する中華圏での注目度は依然として高い。覚醒剤使用事件で日本ではバッシングを受け数年に渡って批判を受け続けているが、元来、中華圏では「薬物スキャンダル」に対して日本より寛容だ。薬物使用が発覚するも謝罪会見を行なって復帰する芸能人は台湾や香港でも少なくない。酒井法子さんの事件の経緯は、中国インターネットメディア中心に報道され、高い関心を集め「なぜ、まだ本格復帰しないのか?」という声すらある。ある韓国人ジャーナリストは「日本芸能界は『不倫』に甘く『薬物』に厳しい。中国・韓国芸能界と真逆だ」と指摘する。
酒井法子さんの復帰後の活動が順調かというと日本ではそうでもない。社会的影響を考慮して、計画が浮かんでは消えたりしている。しばらくは「舞台」中心にシフトしている。北京テレビのあるディレクターが言う。「日本で出演機会が少ないなら中国で本格活動すればいい」
ただ、そこにはネックがあると言う。「我々、内地(大陸)のテレビ局は基本的に『中国語』での放送しかできない。通訳をつけて字幕をつけるという方法は取らない。酒井法子さんが中国語を話せたらね」
ちなみに台湾では字幕をつけて外国語が放送されることはある。
酒井法子さんは以前、中国語版で歌を出しているが、あくまでも「歌詞」を中国語に置き換えているだけ。中国語の日常会話はできない。もともとの注目度に加え、10億人を超えるマーケット。酒井法子さんも中国語を話すことができたら、中国を日本を超えた活動域にすることができるかもしれない。
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