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辺野古埋立承認の取り消し求め15日提訴へ~普天間移設問題
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2014年1月10日 15:16

 沖縄県名護市辺野古沖を埋め立てて米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)を移設する計画で、同県の仲井真弘多知事が埋め立てを承認したのに対し、辺野古周辺の住民らが取り消しを求めて那覇地裁に行政訴訟を提訴することが明らかになった。原告・弁護団が9日、沖縄県庁で記者会見して発表した。提訴は15日。辺野古に近隣住民や隣接する区域の漁業者、エコツーリズム事業者らが原告になっている。取り組みを開始して約2週間ですでに126人が原告団に参加。提訴時にはさらに増える予定だという。提訴後も引き続き沖縄県内で住民を募り、追加提訴する方針だ。

<エコツーリズムを柱とする環境保全を柱に>
記者会見する安次富浩原告団長(右から2人目)ら=1月9日、沖縄県庁 原告・弁護団によると、予定している取り消し訴訟は、国(沖縄防衛局)の埋め立て承認申請は公有水面埋立法第4条1項1~3号を満たさないので、知事の承認は違法だとして、承認処分の取り消しを求めるもの。同時に、埋め立て承認により生じる重大な損害を避けるため緊急の必要があるとして、効力の執行停止を決定するように申し立てる予定。

 辺野古への基地建設に反対してきた「ヘリ基地反対協議会」共同代表で、原告団長になる安次富浩氏は、「さまざまな市民団体、環境保護団体が辺野古、大浦湾を埋め立てたら自然環境が駄目になると申し入れてきたが、その声、県民の声は無視され、政府の思惑通りになってしまったことに憤りを感じる」と指摘した。
 安次富氏は「仲井真知事は政府の脅しに屈したのではなく、安倍内閣と謀議を重ね、県議会、県民にも明らかにしない条件を提示して、条件闘争に入った」として、「県民を愚弄するやり方にものすごい憤りを感じる。名護市民として暴挙を許さない。(知事の説明は)どんなことがあっても納得いかない」と批判。「辺野古の海を、ジュゴンのすむ、ウミガメの産卵する生物多様性に富む美ら(ちゅら)海をそのまま保存し、エコツーリズムを柱にする環境保全を追求したい」と決意を表明。原告団の目標規模として、「県民の怒りが(どれだけかどうかが)そこに反映する」ので、多くの原告が集まることへの期待をのぞかせ、「取消訴訟を沖縄で起こすだけでなく、幅広い国際世論を引きつけて、辺野古の海を埋め立てさせない、辺野古に基地を作らせない。そういうたたかいに努力したい」としている。

<たたかえばいい裁判ではなく、勝たなければいけない裁判>
 弁護団事務局長の三宅俊司弁護士は、「辺野古埋め立てへの怒りの矛先を県知事に向けなければいけなくなった。怒りの矛先は本来は国だ。この裁判で、自然を守り、子どもたちに自然を残し、平和な島を残していかないといけないと強く決意している。たたかえばいい裁判ではなく、勝たなければいけない裁判だ。埋め立て承認を取り消すまでたたかう」と述べた。

 埋め立て承認について、仲井間知事は「法に定められた基準に適合」としているが、同法4条1項は、(1)国土利用上適切かつ合理的であること、(2)環境保全などに十分に配慮されていること、(3)埋立用途が土地利用・環境保全に関する国・地方自治体の法律に基づく計画に反しないこと――の3つの要件を定めている。原告弁護団は、「環境アセスの際の知事意見が『環境保全は不可能』と述べているのに、『現段階で取りうると考えられる環境保全措置などが講じられており、基準に適合している』というのは論理のすり替えで要件を満たしているかのような体裁を取り繕っている」と批判している。行政訴訟法上、原告らに適格性があると裁判所が判断するかどうかという"関門"を乗り越えれば、違法性はおのずから明らかにできるとしている。

【山本 弘之】


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