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本命不在か!荒れ模様の東京都知事選~候補者たちの知られざる一面
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2014年1月10日 10:33

<民主党がすがる細川護煕元首相>
 2月9日に予定されている東京都知事選まで1カ月を切った現在、さまざまな候補が手を上げ始めている。
 そのなかで注目株は、1月9日の朝日新聞が報じた細川護煕元首相だ。細川氏は予定されていた講演を直前にキャンセルし、出馬を検討し始めたという。争点は脱原発で、小泉純一郎元首相との連携を模索しているという。
 報道によると細川氏は、昨年10月に小泉氏と会食した時、小泉氏から「あなたが出るなら、オレも応援する」と出馬を促されたという。要するに、今でも国民の圧倒的人気を誇る小泉氏の応援を前提に、出馬を決めるつもりなのだ。
 父方は肥護藩主で、母方は五摂家の筆頭である近衛家という血筋の細川氏は、1992年に日本新党を創立。翌93年の衆院選で35名を当選させ、政界再編のキャスティングボートを握った。
それが38年ぶりの政権交代に繋がり、細川氏は総理大臣に就任した。当時の国民の人気は凄まじく、朝日新聞の世論調査では71%の高支持率をマークしている。
 このたびの出馬も、「当時の栄光よ、再び」ということだろうが、果たしてうまくいくのだろうか。

 細川氏に期待を寄せるのは民主党だ。
 「細川氏は民主党が推す東京都知事選の最有力候補だ」
 松原仁東京都連会長は9日、党本部でこう述べた。
 細川氏の作った日本新党は、新進党などを経て民主党に合流している。よって細川氏は民主党と極めて近い。ちなみにいまは日本維新の会の国会議員団幹事長である松野頼久氏は細川氏の後継であるが、もともとは民主党議員である。
 実は細川氏は民主党からの出馬要請を一度は断っている。民主党の応援では票が入らず、当選がおぼつかないためだ。
 この当時、民主党は細川氏にあまり期待をしていなかった。日本新党系の海江田万里代表が出馬を打診したが、「海江田氏がとんでもなく政治に遠い文化人に出馬を求めた」と囁かれていた。

 だが今の民主党は、必死で細川氏に食いこもうとしている。朝日新聞の報道の反響が大きかったためだ。松原氏は細川氏の10年以上の政治的ブランクを「新鮮さがある」と評し、75歳という高齢も「まだまだ元気。石原(慎太郎)さんは80歳すぎても、立派に知事職を務めてきた」と述べて、細川氏をほめちぎった。

<果たして都知事に相応しい人物か>
tokyototyou.jpg しかし政界引退以来の16年間を「テレビも見ないし、新聞もとらない」という隠遁生活をおくってきた老人に、世界で最も近代化が進んだ大都市のトップが務まるのかどうか。しかも東京都知事は、時には首相の権力をしのぐとも言われるほど強力なものだ。
 また松原氏は「細川氏は熊本県知事を立派に務めたという経歴を生かして」と述べたが、熊本県と首都東京を同列に並べることは適切ではない。その論理が通じるなら、宮崎県知事としてマスコミに頻繁に取り上げられた東国原英夫氏の方が東京都知事に適任ということになってしまう。

 さらに問題がある。細川氏は佐川急便から1億円借り入れ、これを追及されて十分な説明も果たさず、わずか8カ月で首相を辞めた件だ。その領収書はコクヨの市販で、ハンコも番号もないものだったという。まさに徳洲会から5,000万円借りたものの手書きの領収書を出して失笑を買った猪瀬直樹前東京都知事を彷彿させるばかりではなく、手書きしたコクヨの市販の領収書を政治資金収支報告書に添付した前原誠司氏も連想させる。脇の甘さとずさんさが否めない。

 その上、肝心な小泉氏の応援だが、これも確実なところは望めないという話がある。実は小泉氏の場合、姉で秘書を務めた信子氏により、原発に関しては「ストップ」がかかっているのだという。
「小泉家としては、首相まで務めたのに晩節を汚したくないと思っているのだろう。また自民党が舛添氏を応援するとなると、進次郎氏が応援せざるをえない。親子で分裂はよくない」
 と、関係者は語る。

<舛添氏は愛人スキャンダルが障壁に?>
 それでは細川氏以外の都知事候補はどうか。1月6日に日弁連元会長の宇都宮健児氏が、7日には元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄氏が出馬を表明した。いずれも話題性はあるが、どのくらいの票を集められるのかは不明だ。その他の泡沫候補も続々と立候補を表明しているが、まず論外だ。

 そのなかで自公の「本命」とされる舛添要一氏も、8日に事実上の立候補表明を行ない、自民党の都議団に挨拶した。
 2010年に自民党を除名された舛添氏だが、厚生労働大臣時代につちかった公明党との強い絆がある。都内の公明票は100万票と言われるので、優位は揺るがない。当初は舛添氏の擁立に難色を示していた自民党本部も、最後は折れた形になっている。
だがそんな舛添氏でも、実はスキャンダルを抱えているのだという。関係者はこう述べる。
「もともと女好きの舛添氏には、複数の愛人と非嫡出子がいる。すでに成人している子どももいるが、なかには障害を持っている子どもがいて、舛添氏は参院議員時代に毎月25万円の養育費を払っていた。ところが議員を辞めたとたん、相手に無断で月額8万円に減額してしまった。怒った相手といま調停中らしい」
 まだ勝負はわからないということか。

【永田 薫】


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