福岡市博多区井相田に本社を構え、電気工事を手がける第一電建(株)。1971年6月の創業以来、官公庁の案件を中心に数々の工事実績を積み重ねている。そんな同社が創業40周年を機に、突発的な暮らしのトラブルを解決する「住まいるレスキュー隊」を発足。「電気工事もできるサービス業」を掲げ、暮らしの安全安心を届けている。同社代表の高山幸治氏に、レスキュー隊結成の経緯を聞いた。
――経営方針のなかに「常識にとらわれない破壊と創造」とあります。これが「住まいるレスキュー隊」の始まりでしょうか。
高山幸治氏(以下、高山) それ以前に、企業マインドの「すべては『ありがとう』という笑顔のために」から始まっています。これまでの建設業や電気工事業もそうですが、概ね「卓越した技術で社会貢献する」という考えが主流であり、完成させることに目的がありました。それはそれで十分価値のあることだと考えていますが、根底にあるのは「電気工事を通じて、暮らしの安心安全を追求する」ことなのです。
住まいるレスキュー隊では、電気工事以外にも水漏れなどの水道修理も行なっています。業界の先輩方からは「電気工事屋が水道までやるのか」とお言葉をいただきますが、すべては「暮らしの安心安全に寄与できる」ことをやっているだけなのです。たとえば、組み立て式の家具を買ったが、組み立てられる父親が不在。そんなときにも住まいるレスキュー隊は出動します。実は儲からないんです。でもお客さまから直接「ありがとう。助かった」と言われる。対応した社員が会社に戻って、それを報告すると、社内に「ありがとう」の輪が広がる。社内の空気が柔らかくなる。これが第一の狙いです。
――言うのは簡単ですが、全社で考えを共有し、実行するのは非常に難しいと感じます。
高山 弊社は理念経営を貫いています。理念の下では従業員は能動的、自主的に動き、ひとつでも多くの感動を伝えたいということで、仕事に向き合います。儲かるからやろうというわけではありません。たった5,000円の緊急対応でも、お客さまから喜ばれる。利益を取りに行くのではなく、笑顔を取りに行こう。かっこいい言い方かもしれませんが、それが弊社の考え方です。近所の方から愛され、「子どもや孫を就職させたい」と言われるような企業を目指しています。経営理念のなかには、存在価値と地域貢献があります。存在価値とは、自分の子どもや孫を入社させたくなるような会社にすること。これが軸です。
――住まいるレスキュー隊のサービス内容をメニュー表にしているのが革新的ですね。
高山 住まいるレスキュー隊のアイデアは以前から持っていました。従来の修理屋さんは、現場に行かないと料金の判断がつかないというのが常識でした。弊社の売りはスピード。1分でも素早く対応して、お客さまを笑顔にしたい。そのために、現場に行かないと金額がわからないという状況をなくそうと考えました。お客さんにとっても、たとえばブレーカー交換がいくらか、相場がわからないので不安が付きまといます。だからどこに頼めばいいかわからない。これがメニュー表導入の理由です。電話での問い合わせはメニュー表を見た顧客からがほとんどで、90%はそのまま注文につながっています。通常なら、問い合わせから見積もり、他社との比較、そして指名されて初めて現場に向かう。これでは効率が悪い。緊急対応はスピードが命。見積もりを取っている暇はありません。
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<COMPANY INFORMATION>
第一電建(株)
代 表:髙山 幸治
本社所在地:福岡市博多区井相田2-8-15
創 業:1971年6月
資本金:2300万円
TEL:092-588-2260
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