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舛添候補落選が最優先されるべき目標~植草一秀氏ブログ
政治
2014年1月16日 15:29

 NET-IBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、細川護煕氏が次期都知事選に立候補を表明したことにより、政治が原発推進派とゼロ派に二分される可能性を示し、これを国民が政治に介入する好機とし、政治家を上手く利用することを勧める1月15日のブログを紹介する。未掲載部分では、都知事選に際して、主権者勢力が取るべき2つの行動について説明をしている。


 「政治家は使い捨てにされることを覚悟しなければならない」

 これは、小泉純一郎氏の言葉である。2006年11月7日の発言だ。小泉純一郎氏は首相の座を安倍晋三氏に明け渡した。その直後の発言である。
 郵政民営化に反対した議員を自民党に復党させる際に、これらの議員の復党に反対する自民党新人議員に対して発した言葉である。郵政民営化を実現するためだけに政治家に祭り上げられ、使い捨てにされても文句を言うなという意味だった。

 原発ゼロを掲げて東京都知事選に名乗りを挙げた細川護煕(もりひろ)氏のうしろに小泉純一郎氏が控える。共生社会を否定し、日本を弱肉強食の社会に変質させることに猛進した、悪徳の人物である。
 こんな人物が支持する候補者を主権者が支持してよいものか。
 多くの主権者がそう考えるのは当然のことだ。

 しかし、主権者は実利的にものを考えなければならない。いま、日本を暗黒の世に変質させている元凶は安倍晋三独裁政権である。衆参両院の過半数議席を確保したことを活用して、横暴な政治を実行している。「原発・憲法・TPP・消費税・辺野古」という、日本の命運にかかわる五つの重大テーマについて、主権者である国民の意思を十分確かめようともせず、数の力を頼りに、独裁的な政治を実行しつつある。次の総選挙まで2年半の空白期が生じる可能性が高い。この状況を放置すれば、日本が安倍晋三独裁政権によって変質させられてしまう。これが日本の危機=アベノリスクである。

 猪瀬直樹氏が辞任し、東京都知事選が実施されることになった。いま、何よりも大事なことは、「ストップ安倍政権」の第一歩を記すことである。具体的には、安倍政権が支持する候補者の落選を実現することだ。
これが第一目標である。
 都政の課題は原発問題だけでなく、貧困問題、福祉問題、教育問題など多岐にわたる。

 すべての面で主権者国民が望む理想の政治が実現すれば、それがベストだが、それは容易なことではない。東京都民に多様な意見があり、多様な主張がある。主権者である都民の主張は一様ではない。
 しかし、現在の日本の政治状況に危機感を抱く主権者が多数存在するなら、まずは、最優先の課題として、政治の現状を打破する、変えることを位置付けるべきだ。具体的には、安倍政権が支持する候補者の落選を実現することを、最優先の課題に位置付けることである。

 細川護煕氏が立候補を表明して、「原発ゼロ」の方針を掲げた。日本の主権者の意見は二分されている。原発利用を維持すべきと考える主権者と、原発利用をゼロにすべきと考える主権者である。

 日本は民主主義の国であるから、多様な意見が存在することは認められるべきであるし、また、多様な意見が存在することは当然のことでもある。しかし、原発政策は国の政策の基本のひとつであり、将来の日本国民の生命、健康、幸福に直結する重大問題である。
 福島の事故を踏まえて、原発を再稼働すべきではないと考える主権者は多数存在する。安倍政権はこの問題について、論議を深めることもせず、主権者の意思を無視して、原発利用推進に舵を切っている。まさに「数の力」を頼りに、横暴な政治を推進しているのだ。

 東京都は東電の大株主であり、東電の経営に対する発言権をも有する。また、原発政策は東京都民にとっても死活的に重要なテーマである。したがって、都知事選の最大の争点に「原発ゼロの是非」が掲げられることは、おかしいことでも何でもない、暴走を続ける安倍政権に対して、東京都知事選の結果が、ひとつの大きな抑止力になれば、それは大いなる意義のあることだと評価できる。

 この目標を達成するには、原発ゼロを求める陣営が候補者を一本化することが有効である。原発ゼロ陣営が二つに割れることが、原発推進勢力を利することは明白である。
 まずは、安倍政権の暴走にストップをかけることが最優先課題だ。
 当選した陣営が主権者の意に沿わぬ行動を示すなら、主権者は政治家を「使い捨て」にすればよいのだ。

 「政治家は使い捨てにされることを覚悟しなければだめだ」と主張している者を使い捨てにすることを躊躇する理由は皆無である。

※続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第765号「舛添候補落選が最優先されるべき目標」でご購読下さい。


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・植草一秀の『知られざる真実』


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