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【異議あり!辺野古移設】桃原功・普天間爆音訴訟事務局次長~非暴力の抵抗続ける
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2014年1月16日 18:42

 沖縄県宜野湾市議の桃原功氏(55)は、普天間爆音訴訟事務局次長を務める。普天間基地周辺住民は、同基地での米軍機による爆音に対する損害賠償と離着陸・騒音の差し止めを求めた普天間爆音訴訟を起こしている。1次訴訟は、2002年10月の提訴。1審、2審とも差し止め請求を棄却したが、同基地の危険性を具体的に指摘し(2審判決)、国に損害賠償を命じた。第2次訴訟は、原告3,417人。1次訴訟の8倍の規模に広がっている。普天間基地は、宜野湾市の真んなかを占め、米軍基地形成の歴史を象徴する。沖縄戦で住民を収容所に収容し、その間に米軍が好き放題に土地を強制接収し、基地を建設した。収容所から帰還が許されても、住民が帰れるはずの土地・家は基地のなかだった。米軍が基地の周辺に残した斜面や沼地など利用が不便な土地に、フェンスにへばりつくようにして住むしかなく、否が応もなく危険と背中合わせの生活を強いられることになった。

<沖縄自らが受け入れてはいけない>
 ――普天間基地撤去を求めてずっとたたかってこられましたね。

桃原功・普天間爆音訴訟団事務局次長 桃原功氏(以下、桃原) 戦後69年間ずっと、基地反対と基地容認とのたたかいだった。革新は、基地反対、非暴力、これ以上基地を受け入れられないと訴え、容認派は、基地を受け入れて振興に活用してきた。
 4年前の知事選では、仲井真弘多知事は、「県外移設」と争点をぼかし、「伊波洋一氏(前宜野湾市長)が知事になると基地従業員は解雇される」とのデマまで流れた。昨年12月の埋め立て承認表明は想定内だった。仲井真氏は、大田昌秀県政時代、副知事を務めていたが、県庁内では「国に楯突くな」と職員に釘を刺していた。「国と一緒にやらないとダメだ」という指向を強く持っていた。
 知事が承認し、ウチナー(沖縄)が認めた基地になる。基地が未来永劫残ってしまう。辺野古移設には断固反対だ。沖縄自ら受け入れてはいけない。
 辺野古埋め立てを承認させないために、やれることはすべてやった。県内41全市町村の首長、議長が「建白書」を政府に提出した。座り込みもやった。
 沖縄県民が行動することが、国際的にも共感されている。メンバー有志が、普天間基地即時閉鎖と辺野古移設反対を求めて、ホワイトハウスにハガキを出す運動を始めた。埋め立て承認に対し、オリバー・ストーン監督ら国際的抗議声明も出た。声明だけでなく、映画をぜひ作って、普天間基地の実態を世界に知らせてほしい。

 普天間基地は、飛行場と呼ばれているが、米軍の軍事飛行場の基準では、飛行場ではない。米軍の運用では、土地の利用禁止区域(CLEAR ZONE)、事故危険区域(APZ)が設定されていて、事故の危険性があるとして、その区域には、住宅、学校、病院、集会場があってはならない。「CLEAR ZONE」は、滑走路の端から幅450~690メートル、長さ900メートル、APZは、幅900メートル、滑走路の端から4,500メートルまで。普天間では、住宅や学校の密集地域がこれらの危険区域に入っている。米軍の安全基準を満たしていない。

<非暴力の抵抗で、基地封鎖実現>
 ――政府は、移設によって危険性の除去と言うが、解決策は?

宜野湾市の地図で 普天間基地危険ゾーンを示す桃原氏 (ピンク 桃原 安倍首相も宜野湾市長も、普天間の危険性の除去というが、辺野古でも、騒音、危険は同じだ。固定翼機のP3C、KC130、FA18が普天間に離着陸する。飛行コースは、那覇市、浦添市、普天間基地、北中城村、沖縄市の上空と広範囲を通る。辺野古でも、宜野座村、金武町の上空を通り、危険性を除去したことにならない。オスプレイの危険性を考えても、空軍がCV-22を導入し、嘉手納基地に配備されれば、危険は残ったままだ。自衛隊の導入するオスプレイが沖縄に配備されれば、危険はなくならない。
 県外を命懸けで探したのか。日米で真剣に議論はあったのか。森本敏元防衛大臣は、沖縄に基地を置くのは政治的理由だけだと述べた。普天間にしろ、北部訓練場にしろ、沖縄の基地は海兵隊にとって、ローテーション訓練基地になっていると言われて久しい。米国は、「思いやり予算があるから、お金を出してくれる日本にいるに越したことはない」ということに過ぎない。
 普天間爆音訴訟団など4団体は、一昨年の9月26日から10月5日の間、普天間の主要なゲートを封鎖した。やればできる。しかも、70年近く抑圧された地域で、火炎瓶や投石、暴動が起こらず、非暴力の抵抗を続けてきた。この意識は大切にしたい。
 普天間でも、辺野古でもなく、軍縮へ持って行くべきだ。私は50歳を過ぎた。若い世代にも反基地の意識を持ち続けてほしい。気づいてほしい。親の世代が、背中を見せないといけない。今、基地の鎖を断ち切って、未来を描ける沖縄にしないといけない。基地がなくなった方が、経済は自立できる。
 かりゆしグループの平良朝敬CEOが、「観光は平和産業だ」として、辺野古断固反対を言い、キャンプ・シュワブ全面返還を求めた。返還されリゾート地にした方が地域振興、雇用が生まれると言うのは、同感だ。基地は、観光にマイナスになっている。その証拠に、沖縄観光は、9・11テロの後、観光客数がガタッと落ちた。米軍基地があるからだ。

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<チルダイ(落胆)している場合ではない>
 ――名護市長選挙(19日投票)が激戦ですが、宜野湾市民の思いは。

 桃原 名護市長選の勝敗に限らず、国は基地建設を強行するだろう。非暴力のたたかいを継続して、基地建設を阻止したい。日本政府が強権的にやる、となれば、なすすべはない。怒りのマグマが煮えたぎっている。何かをきっかけに暴動が起きるのではないかと不安を感じている。そのくらい、県民の怒りは限界に達している。
 選挙になると、基地容認か基地反対かの戦いになるが、本当は日本政府が相手だ。それでまとまっていたのが「オール沖縄」だ。「基地はいらない」という県民の気持ちは高まっている。それは変わっていない。しかし、日米に言ってもダメ、いつもその脱力感の繰り返しだ。チルダイ(落胆)している場合ではない。仲井真知事はいい正月を迎えた。19日(名護市長選の投開票日)にいい結果を出して、今度は私たちがいい旧正月を迎えたい。

【聞き手・文:山本 弘之】


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2014年1月12日 07:00
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