着地型観光と発地型観光は対をなす概念で、着地型観光は観光客や旅行者を受け入れる地域が自分たちの持つ観光資源を活かして企画するツアーです。これに対して、発地型観光とは、旅行者が出発する地域のツアーで、主に都市部の旅行会社が集客して目的地に送り込む観光のことを言います。今、地域振興の切り札としてこの着地型観光が注目されています。 今回は、進化する着地型観光の例としてNPO法人北九州タウンツーリズム(代表理事:大内田佳介氏)の活動を紹介します。
<北九州タウンツーリズムの取り組み>
さて、NPO法人北九州タウンツーリズムの紹介です。同NPOは、もともと北九州市の職員である大内田氏を中心に、北九州の夜の楽しみ方を市内外の方に知ってもらいたいと、2007年にNPO法人北九州青年みらい塾内に北九州ナイトツアー実行委員会を立ち上げ、滞在時間の延長や宿泊者数の増加を目指した「北九州ナイトツアー」事業をスタートしたことに始まります。
その後、ナイトツアーの活動が本格的になるにつれ、「もっと積極的に北九州のまちを知ってもらいたい」との思いから12年にNPO法人とし、より積極的な活動を始めます。具体的には、北九州ナイトツアーをはじめ数々のツアーやイベント、シンポジウムを開催しています。
私は10年度に経済産業省認定の地域商業活性化組織である北九州市小倉地区中心市街地活性化協議会のタウンマネージャーを務めておりましたが、そのときに大内田氏との知己を得ました。
大内田氏の活動は、公務員とは思えないほどの活躍で(もちろん公私をきちんとわきまえられての活動です)、北九州のまちのために夜間の活動、土日の活動を率先して行なっておられ、頭が下がる思いがしたものです。
そういった活動実績が認められたのでしょう、一般社団法人日本まちあるき協会(名誉会長:田上富久長崎市長)がこれまで2回開催した「日本まちあるきフォーラム」の第3回目の開催地に選ばれたのです。
この日本まちあるき協会は、名誉会長が田上長崎市長であることに明らかなように、その元は「長崎さるく博」や体験型イベント「別府八湯温泉泊覧会・オンパク」、観光ボランティアガイド「別府八湯ウォーク」にあります。いずれもいわば着地型観光の走りですね。
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和歌山大学産学連携・研究支援センター客員教授、観光学部フェロー
西日本工業大学デザイン学部非常勤講師
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