「対日ビジネスの幹部候補生」として、日本語や貿易実務を学んできた台湾の学生が、県内企業での日本語を使ったビジネス研修のため19日に来福。研修に先立ち、20日、福岡県庁に表敬訪問を行なった。県庁を訪れたのは、台湾貿易センター国際企業人材育成センターの国際企業経営コース日本語組で学ぶ2年生計23名(男性6名、女性17名)だ。研修生は、理論・実務の両面から国際貿易、マーケティング、語学などに関する集中講義を受けており、英語・日本語ともに堪能だ。
表敬を受け入れた福岡県側は、県商工部の今村修二部長が「台湾は福岡県にとって重要なパートナーで、昨年も『知事を団長とする台湾訪問団の派遣』や『中小企業経営者のフォーラム実施』など双方で活発に交流を行なった。県と台湾の架け橋になる人材育成を私どもは重視している。この事業の先輩方は熱心に研修に取り組まれ県内企業からも高い評価をいただいた。皆さんも現場を体験することで多くのことを学んでいただきたい」と歓迎した。
「研修生受け入れプログラム」と称したこの取り組みは、県とITIが共同で主催、日本企業での実務経験を通して日本のビジネス習慣、社会習慣、企業ルールなどを学んでもらおうと2003年に始まった。これまでに約230名を受け入れただけでなく、卒業生と、実務研修を行なった県内の企業で構成する「福岡・台湾経済人クラブ」も組織され、プログラム後の交流も続いている。
激励の言葉を受け、研修生代表として蔡馨慧さんが「これから3週間、いろいろなことを吸収し良い文化を学びたい。台湾で学んだ知識を活かして研修に取り組みたい」と意気込みを語った。また、研修生たちは、領事館にあたる「台北駐福岡経済文化弁事処」(福岡市中央区)にも表敬を行ない、実地研修に真剣に取り組むことを誓った。今後、西鉄、イオン九州、ふくや、電通九州など、県内の食品、小売、マスコミ、広告、人材派遣等の企業に配属され、約3週間にわたり研修を行なう予定だ。
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