ある展示会で、熱のこもったプレゼンを目にし、ぜひ一度話を聞いてみたいと思った。伺った先は福岡市博多区にある（株）ハウテック。同社は建築業務のソフトウェアを25年以上自社開発し、工務店を中心としたハウスビルダーなどに提供している。今回、建築業務推進システム「B-MOS」について、話を聞いた。

＜住宅営業マンの悩みを解消＞
　「対面営業でも、口頭や手書き、建材カタログだけでは十分に伝わらない」
　「見積もりを出すまでに時間がかかってしまう」
　「昼間現場に出て、夜戻って別物件の設計や必要な事務処理を行なっている」
　営業や業務の悩みは様々だ。従来のやり方では、細部まで具体的な提案ができていなかったり、ひとつひとつの作業に、それぞれのソフトがあり、作業効率が悪かったりした。営業力の強化と社内業務の効率化の双方を改善するのが、このソフト「B-MOS」だ。

＜今の世代の住宅受注は今の時代の提案で＞
　このソフトを活用すれば、ほぼすべての提案をパソコンひとつで完結できる。顧客の要望を聞きながら、マウスを使ってパソコン画面に必要事項を入力すると、住宅の完成予想図が立体的にCGで表れる。外観だけでなく、内観も建材ひとつひとつの色、つやなども選択でき、日光の差し込み具合も再現される。これまで顧客にとっては、なんとなくのイメージでしか捉えられなかった完成予想図がリアルに表れる。「これまでプレゼンで顧客に説明できなかった部分が伝えられるようになり、契約につながった」という狙い通りの反応に加え、「完成予想が違うという顧客からのクレームが減っている」というおまけつきだ。

＜建築業務全般の効率化＞
　プランデータからすぐ連動積算でき、スピーディに見積書が完成する。顧客を待たせることなく、信頼度のアップにつながる。さらに建築段階となれば、四面立面図、矩計図、平面詳細図などの確認申請用の図面もプランデータと連動しており、自動で作成され、業務を大幅に圧縮できる。「このソフトを導入したことで、業務がスムーズに流れ、１件にかかる時間が短縮された」という、うれしい声も届いている。

＜申請書類の高度化に対応＞
　同社によると、建築関係の申請はどんどん高度になっているという。構造チェックや省エネなどの計算ではシステムを使わないとどうしても難しく、その部分で苦労している企業も多いと聞く。同社は「ソフトを導入して、即座に使いこなせるようにはならないので、やはり準備が必要。早めの設備投資で社内体制を強化して、受注戸数を増やしてほしい。そして、高度になる建築情勢に対応できるようになってもらいたい。」と話す。

　同社では、ニーズに応じて複数あるソフトを足し引きし、大手ハウスビルダーから地場工務店や設計事務所、建材店にまで提供している。これまでの販売実績は累計で約１万5000本。25年の研究開発実績に加え、随時顧客の要望を取り入れ、使いやすさを追求している。

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・（株）ハウテック

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