脊振山の北側山麓、椎原(しいば)は、茶の発祥の地とされている。禅僧栄西が中国から茶の苗を持ち帰り、同地に植えたのが由来だ。茶と縁が深い椎原は、同時に良質な水が得られる場所としても知られている。脊振山の地層を通ってきたその水は、古来より天名水と呼ばれて愛されてきたという。その水を、深さ300m(早良区のもの。もう一本那珂川町に井戸があり、そちらは150m)から取水し、手間暇かけて安全な飲用水へと加工して生まれたのが、株式会社SI-VAが販売する「博多天名水」である。
椎原の水はいい。こう言われているが、そのよさは数値にも表れている。飲みやすさを示す硬度が23と、とても低い超軟水。これはのど越しが軽く、体への負担もおだやかでと言われている。赤ちゃんのミルクへの使用にも適している。また、体に優しい弱アルカリ性である点もうれしい。微量のラドンが含まれているところも特徴。これらが「いい水」の理由とされている。かつて、昭和天皇に即位後初めて口にする米を生産するための水田として同地の水田が選ばれた。その理由の1つが水がいいことであった。質のいい水を九州、全国に届けたい。そんな思いが博多天名水を産んだのである。
博多天名水の特徴は、その水のよさだけではない。極めて高い安全性へのこだわり。それも大きな特徴と言えよう。宅配水に使われるボトルには大きく2つの方式がある。ひとつはリターナブルボトルと呼ばれる、宅配‐回収を繰り返すタイプ。もう1つはワンウェイボトルと言われる、使用後には廃棄するタイプだ。安心、安全という点では、品質にムラのないワンウェイの方が有利と言われている。同社はワンウェイボトルを採用し、それだけではなく、同社工場内でボトルの成形まで行なっているのである。充てん室の横に、大きなPETボトル成形機があり、そこで500℃に加熱されたPETボトルの素(牛乳瓶のような形のもの)を入れる。熱され柔らかくなった原料に空気を入れふくらまして金型にあてがう。これで天名水のボトルが完成する。500℃に熱されているので無菌の状態での充てんライン投入ができるという寸法だ。
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<COMPANY INFORMATION>
(株)SI-VA(シーヴァ)
代表者:代表取締役社長 中原 達夫
所在地:福岡県福岡市中央区那の津3-12-24
TEL:0120-324-418
URL:http://www.hakata-tenmeisui-fukuoka-water.com/
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