イズミとスーパー大栄が資本・業務提携する。イズミは出資比率19.75%で筆頭株主になり、営業本部長を派遣する。スーパー大栄は当面経営の自主性は維持するものの、中山勝彦社長が74歳と高齢であることから、最終的にイズミグループの傘下に入ると見られる。
スーパー大栄は北九州地区ではサンリブ、丸和(旧ユアーズ)と並ぶ先発スーパーだったが、域外からの進出の増加や地場ではハローデイの台頭で業績が低迷、店舗閉鎖を余儀なくされていた。今3月期の純売上高も3.6%減の230億円と5期連続減収になり、最終損益は5,000万円の赤字に転落する。単独での生き残りは困難になっていた。
一方、イズミは店舗が北九州市小倉南区に2年前出した「ゆめマート東小倉店」があるだけ。100万都市で店舗数が1店しかないのは、北九州市小倉北区の新幹線小倉北口に北九州市がアジアからの開発輸入拠点として建設したAIMビルに、開業土壇場になってヤオハンととともに出店をキャンセルしたのが尾を引いていたためと言われる。当時の末吉市長の肝いりで建設しただけに、市側の怒りは大きく、イズミもその後出店を遠慮していたと見られる。
スーパー大栄を傘下に収めることで、一挙にこれまでの遅れを挽回できる。
イズミは地方食品スーパー(SM)との提携に力を入れており、一昨年秋には熊本県の中堅・(株)西紅を、子会社・ゆめマートを通じ買収した。ニコニコ堂の小型店を継承したゆめマートは、県内では最大手SMの1社に成長した。イズミの支援でスクラップ&ビルドを実施、仕入もイズミ経由に切り替え収益力を強化したのが奏効した。
スーパー大栄でも、既存店の改装や仕入れの統合に着手する。サンリブやハローデイ、マックスバリュ九州にとっては、新たな強敵が登場する。
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・【流通】「スーパー大栄」資本業務提携の行方は~2014年版スーパー業界特別レポートより(1)
【レポート概要】
「スーパー業界特別レポート2014年 九州・沖縄地区」(300ページ)
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