福岡市は、150万人の人口を有し、大阪以西では最大の都市だ。企業や行政機関に加え、大学・専門学校なども多い。若い人が多い活力ある街という印象を持たれている。一方、車で30分も走れば、自然あふれる地域が広がり、退職後は、福岡市に移住したいと考える人も少なくない。しかし、その福岡市の市政はというと、飲酒運転をはじめ市職員の不祥事が絶えず、その根本原因のひとつが、高島宗一郎市長の資質・姿勢にあるという声が高まっている。二元代表である議会はどのように考えているのか。各会派の市議に話を聞いた。
<PFIも地場企業優先を>
――外郭団体の改革については、給食センターの民営化ができました。民間の資金、ノウハウを活用するPFI事業で行なわれますね。
富永市議 PFI、PPPで民間の力を使うことは私も賛成ですが、地場の業者さんから、建設した企業が備品、事務用品なども全部、自社の系列や大手のメーカーと直接取引するので、結局、地場の中卸業者などに全然仕事が回ってこないという批判があります。もともと英国の手法だそうですが、もう少し地場産業の育成のために、福岡市なり日本なりの仕組みに改良していくべきだと思います。
――すべて民間に任せると、やはり大手有利です。給食センターもそうですね。PFI事業もプラス・マイナスがあり、地場の企業を育成するような形にアレンジする必要がありますね。
<福岡空港の高額な地代問題>
――昨日、福岡空港問題について議論が行なわれたとお伺いしております。
富永市議 これは市単独の政策ではありませんが、福岡空港の民営化が県と市に下りてきています。昨日、特別委員会が行なわれましたが、これまでは空港のターミナル部分のみでしたが、今度は滑走路を含む基本施設まで民営化するように、国から依頼が来ています。ただ、民営化しても土地の地代が高く、このまま民間に任せてもかわいそうです。先に取り組まなければいけませんでしたが、背景になかなか難しい問題があります。
全国一便利な空港で、離発着も多いけれど、地代の支払いがかさむため、黒字になりません。議会としては地代の補填があれば、「民営化自体は反対しない」です。昨日も、川口市議と、僕と共産党だけが発言しています。僕は「滑走路などのテロ対策はどうなのか」について意見を述べています。市としても、県とも協議してしっかり国に伝えたいという答弁でした。共産党は、職員の削減に反対なので、民間委託に反対していますね。
――やはり空港は、ある程度行政がコントロールしなければいけないと思います。
<側近人事の是非>
――市民の方の反応もインターネットを見て関心がある方は、高島さんではちょっと・・・という反応が多いです。テレビしか見ない方は、高島さんいいんじゃないの、あるいは無関心ですね。
富永市議 最初にも申しましたが、私たちは野党なので、市長に対してあくまで是々非々です。市長与党は、自民・公明・みらいですが、みらいは会派の中で是々非々のスタンスの方もいらっしゃるようです。自民党にもベテランの議員さんに物申される方はおられますね。民主は、ベテランは労組べったりですが、若い方は、是々非々スタンスですね。
副市長人事では、山崎副市長の切り方がいけませんでした。疎ましく思ったんでしょうが、国へのパイプをもったかたですから、有効に生かしていただきたかったですね。部長から副市長への異例の二階級抜擢は、十分な説明がありませんでした。前例のないやり方です。もちろん、前例にとらわれる必要もないとはいえ、妥当だったのか。それはいまだに疑念があります。副市長2名を交代させたのはどうなのか。県警OBはそのままにしています。中園部長は、いずれ副市長になっていただきたいなとは思っていましたが。
――本日はお忙しいなか、多岐に渡るお話をありがとうございました。
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