＜高い国家試験合格率アスリートと世界を目指す＞
　１号館である東篠崎校が開校したのは2008年４月のこと。専門学校としては後発の同校だが、早くも他を凌ぐ実績を積みはじめている。
　たとえば、柔道整復師試験の合格率。柔道整復師とは、薬や医療器具を使わず、手技によって「人の持つ自然治癒力」を呼び起こし、怪我の根本治療を促す技術者のこと。古くは奈良時代から存在し、「柔術」に含まれる「活法」の技術を応用した治療術であることからその名で呼ばれる。整骨院や整骨院を開業するために欠かせない国家資格だが、全国平均の合格率が77.4％であるのに対し、同校の合格率は93.2％。同校が提供する「実践的な学びの場」が、国家試験における高い合格率に反映された一例と言える。

　また、卒業生やスタッフの活躍の場も幅広い。スポーツとの関わりでいえば、多くの現役アスリートのスポーツトレーナーとして同校出身者が活躍しているのだ。横綱・白鵬関を擁する宮城野部屋やオリンピック出場を争ったフィギュアスケートの小塚崇彦選手、日本中を沸かせた野球のWBCチームなど、トップアスリートの活躍を陰に日向に支えている。とくに、国家資格によって現場での施術が認められている柔道整復師は、医師と同様、アスリートにとっても欠かせない存在である。選手と強い絆で結ばれ、ともに世界を目指すスポーツトレーナーも少なくない。

　実は、同校がスポーツトレーナーの育成に力を入れるのには、もう１つの理由があるという。トップアスリートであっても、必ず競技人生を終える時が来る。むしろ、その後の人生の方が圧倒的に長いのだが、競技に打ち込む彼らは、次の人生を考えるだけの余力に乏しいのが現実だ。引退後も競技と関わりながら生計を立て、技術と夢を子どもたちに伝えてほしい――スポーツトレーナーの育成は、そうした理想に向けた基盤づくりの意味合いも併せ持つ。

＜「夢」を追い、「夢」を支える＞
　他に例を見ない九州医療スポーツ専門学校の活動の数々は、同校を率いる水嶋昭彦理事長の理念を色濃く映し出す。水嶋理事長は、北九州市小倉南区出身の52歳。大阪にある行岡保健衛生学園の柔道整復学科を卒業し、87年に故郷で「湯川整骨院」を開業した。整骨院、整体院の多店舗展開に乗り出したのが01年のこと。当初は、病に倒れた父の医療費を捻出するための事業拡大だったそうだが、その手腕は冴え、築き上げた整骨院・整体院のネットワークは60店舗におよんだ。

　他方で、医師との間の深い溝にも気付かされたという。ともに患者の健康に向き合う立場であれば、柔道整復師と医師が互いに意見をぶつけ合うことが最良であるはず。にもかかわらず、医師から色眼鏡で見られる整骨院業界の現状がそこにはあった。患者に本気で向き合おうとすれば、業界が自ら変わるしかない。実践に通じ、素養を備えた高度な人材の育成を目指す本校の姿勢は、業界を変えたいと願う水嶋氏の「夢」をかたちにしたものでもある。

　「夢」は、さまざまなかたちで走りはじめている。近年力を入れる「Zero－100プロジェクト」もその１つ。０歳から100歳まで動ける身体づくりをサポートする「生涯スポーツトレーナー」の育成を目標に掲げ、高齢化の著しい地域社会に貢献できる組織づくりを目指している。12年12月にはカンボジアに整骨院「ZEN」を開業し、柔道整復師の技術を途上国に広める取り組みも始まった。『士魂医才』の理念の下、九州医療スポーツ専門学校の活動は、確実に裾野を広げつつある。

　水嶋氏も、公益財団法人日本健康スポーツ連盟副理事長や、日本プロ野球OBクラブの理事、福岡県ボディビル・フィットネス連盟会長といった数々の公職を務め、スポーツに「夢」を託す人々のバックアップに力を入れている。
　自ら「夢」を抱き、他者の「夢」を懸命に支える１人の経営者が何を残すのか。周囲は熱い期待を寄せている。

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＜SCHOOL INFORMATION＞
学校法人 国際学園　九州医療スポーツ専門学校
所在地：北九州市小倉北区東篠崎1-9-8（１号館「東篠崎校舎」）
所在地：北九州市小倉北区片野3-5-16（２号館「片野校舎」）
厚生労働省指定養成施設
ＴＥＬ：093-932-5100
ＦＡＸ：093-952-2080
ＵＲＬ：http://www.kmsv.jp/

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