<今後の商品は"健康"と"生きがい">
――東京オフィスを強化していますが、その目的は。
髙田明氏(以下、髙田) 大きな理由はスピードです。意思決定スピードがなければ、経営は勝てません。関東で開催される見本市に積極的に行きやすくなるなど情報収集が容易になり、佐世保ではできなかったスピード感や商品の発掘がやりやすくなります。また、優秀な人材の確保も容易になっています。
――今後のトレンドはいかがでしょうか。
髙田 環境を無視した商品は、100%売れないと考えています。かつての大量生産の頃はつくれば売れた時代がありましたが、今は環境汚染など新しい問題に直面しており、これに対応する商品は確実にニーズがあります。メーカー側もマストの問題として商品開発を行なっているので、弊社としては、そういったメーカーの考えや理念なども、メッセージとしてしっかり伝えていきたいですね。
また、今後の日本市場で考えると、高齢化社会への対応もニーズの1つです。幸せに年を取る、健康に年を取る、そのために身体を健康にする商品や、生きがいにつながる商品が求められます。健康シューズはそのなかの1つです。また、"生きがい"の商品としては、タブレットPCを考えています。簡単に操作でき、コミュニケーションツールとして活用できるタブレットPCを、日本の高齢者すべてが所有することになれば、日本は大きく変わります。一方で、子どもに対しては"夢"がキーワード。いかに夢を現実に近づけることができるかを、大人が語れるような商品を出していきたい。こうやって考えるだけでも、とても楽しくなります。
――今後、通販市場ではアマゾンや楽天の攻勢など、価格競争も激しくなっていますが。
髙田 間違いなくインターネットの世界はさらに伸びます。他社はすべてインターネットのプロ集団。リアル店舗はなくなりませんが、リアル店舗がネット化するのは間違いないでしょう。ただし、商品が動く部分は変わりません。ラジオからテレビに変わったときと同じイメージを抱いていますが、あと20年すると、またずいぶん世の中の仕組みは変わるでしょう。
――消費税増税への対策は。
髙田 増税は国として必要なことなので、受け入れます。売り方を強化していくしかない。過去の増税と違うのは、消費のマインドは確実に上がっているということ。安倍首相の政治力も力強いと感じています。増税する最初は大変ですが、新しい提案と変化を加えていくことで、それを乗り越えることができると信じています。ただ心配するだけでは、状況は変わりません。前向きに状況を受け入れて、そのなかで変革し、アイディアを出して考えていくことが非常に大事です。
――今年の目標は。
髙田 対外的に私が目標を決めることはしません。副社長以下が社内で考えていると思いますが、最低限、増収増益できればよい。社員の方から提案はあるかもしれないですけれど。
――最後に、いつもテレビで元気に商品をご紹介されていますが、その元気の秘訣と健康法があれば教えてください。
髙田 精神的にはくよくよしない性格。現状を受け入れて前向きに、できることとできないことを考え、行動に移しています。行動も先を見ずに今を大事にする。今のこの瞬間を超えていくことが明日を創っていくものだと思いますし、それが1年後、2年後につながります。今の瞬間でどれだけのことが伝えられるか、これはテレビショッピングで心がけてきたことでもあります。この考え方を習慣化して、自分のなかに持っています。
今年は歩くことをテーマにしていますね。本日も7階まで階段を歩いて登りました。歩数が足りなければ、廊下をジグザグに歩いたり、帰宅して家のなかを歩いたりしています。会議のときも、考えるときは歩くようにしています。何事も目標を持つことは大事です。そのほかでは、ローヤルゼリーを10年以上摂取しています。あと1つ挙げるとすれば、声を出し続けていることも、健康法になっているのかもしれないですね。
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<COMPANY INFORMATION>
所在地:長崎県佐世保市日宇町2781
設 立:1986年1月
資本金:1億円
売上高:(13/12)1,423億円(見込み)
<プロフィール>
髙田 明(たかた・あきら)
1948年、長崎県平戸市生まれ。71年に大阪経済大学経済学部卒業後、阪村機械製作所に入社。74年に実父が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売の仕事から始め、86年に独立し(株)たかたを設立。90年にラジオショッピングに始まり、94年よりテレビ通販事業に参入。99年、(株)ジャパネットたかたに社名を変更し、新聞折込、CS放送、インターネット、携帯サイトなどの多メディア戦略を展開。売上高1,000億円を超える家電通信販売業界のリーディングカンパニーに成長させた。
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