ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

コダマの核心

企業・人、再生シリーズ(39)~『サカサマ時代の復権』は時代の要請(後)
コダマの核心
2014年2月10日 07:00

<下請け協力会維持・解散の明暗>
 スーパーゼネコンの大半が、下請け協力会を解散した。「元請け・下請けは親子関係にある。共存共栄、親は子を食べさせる宿命がある。子は親に忠誠心を持って励め」という独特の運命共同体が築かれていた。平成初頭のバブルが弾けて、スーパーゼネコンは長年蓄積されてきた慣習を投げ捨てた。「我が身だけが生きるのに精一杯。子のことなど知るか!!」と自己保身に走った。一瞬にして、元請け・下請けの麗しい関係は崩壊した。

pipe.jpg その流れを受けて、地元の若手の経営者たちが協力会を解散させるのが主流となった。筆者も反省しなければならない責務がある。当時、「下請け協力会解散は時代の要請だ。業界は合理性を導入すべきだ」と賛美したのである。今となってみれば、「この見解は誤りであった」と自己反省をする。現実、下請け会解散の先陣を切った3代目社長が反省する。「安いことを優先させた取引業者選定のしっぺ返しを受けている。下請会を解散させたのは、軽率であった」と。

 仕事の取捨選択できるようになった下請け業者は、ゼネコンに対して虎視眈々と積年の恨みを晴らそうしている。「ぜひ、この仕事の要員を確保してくれないか」と頼まれる機会を待ち構えているのだ。建設会社から指名されたときに、「いやー手が足りませんからお断りします」とやんわりと忌避する業者もある。また一方では、強気の経営者は「貴方のところから頼まれる筋合いはないと思いますが。私のところには、お宅に借りはまったくありませんよね。請けたくはありません」と公然と拒否する。

 「しかし、あまり図に乗って義理を欠くようなことをすれば、我が首を絞めることにもなりかねない。建設業者さんを見て、手持ちの人員で優先的に仕事を請けることをしなければならない」と、ある設備業者の経営者は慎重な姿勢を崩さない。この経営者が説明してくれた。「上村さんが350億円の手持ち受注を持っているようだ。あそこは『上栄会』という協力会を大切にしてきた。だから取引業者は、恩義を抱いて優先的に仕事をこなす。だから工事が遅延することはまずない。元請け・下請けの信義を貫く建設業者は強い」と。

<500万、600万年収の確立を!!>
 100億企業の経営者が、若いサラリーマンとして建設会社に勤めていた時代のことだ。ある職方から「あんちゃん!!うちに来て現場の職人にならないか。稼ぎが3倍になるぞ」と誘われたことがある。40年前はたしかに、現場の一人前の職人たちは稼いでいた。大工職人も日給が高かった。学歴関係なく、職人技術を極めれば対価が得られる。となれば、誰でもが切磋琢磨努力をするようになる。平成初頭までは、稼げる土壌があった。
 建設業界だけではない。トラック運転手でもそれなりの待遇を得ていた。日本には腕に覚えのある職種が無数にあった。彼らが年収500万、600万円稼いでいた時代が、一番社会秩序が安定していた。今や大企業以外で、この水準の収入を得られる職場は少ない。まずは"サカサマ時代"に達成しなければならないことは、建設技能士たち(職人)が年収500万、600万円を維持できるシステムを構築することだ。

(了)

≪ (38・前) | (40) ≫


※記事へのご意見はこちら

コダマの核心一覧
コダマの核心
2014年2月24日 15:12
コダマの核心
2014年2月15日 07:00
コダマの核心
2014年2月14日 09:22
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT
ピックアップ
大志会・源音吉会長が新刊上梓
文化・スポーツ
2014年2月26日 13:48
24日にエステトップサロン表彰式
イベント情報
2014年2月25日 15:24
集客Wi-Fi、西通り・大名でスタート
新商品・新技術
2014年2月25日 11:49
傷病者を救う「救命法講習会」開催
イベント情報
2014年2月25日 10:31
大橋に分譲マンション建設予定地
建設
2014年2月21日 10:35

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル