西日本一の歓楽街と言われる中洲で営業する1,900軒のうち、1,300軒は接客サービスが主体の飲み屋である。今、高度経済成長期にオープンした歴史ある店が、経営者や常連客の高齢化にともない、次々と閉店している。その一方、中洲に夢を抱き、新たに店を開く若い経営者も現れている。
<脱サラ店長奮闘!新時代のアットホームなお店>
スナック「メンバーズ ピエロ」は、今までの中洲にない女性でも楽しめるアットホームな店づくりを目指して2013年1月7日にオープンした。その現場を任されたのが、水商売の経験ゼロという元会社員の松本亮平店長(29歳)。まさに手探りで始めたスナック経営であったが、少しずつファンを増やして1周年を迎えた。
松本店長と同様、女性スタッフも良い意味で水商売っ気を感じさせない。現在、在籍10名の女性スタッフの定着率は高く、いつ来ても見知った顔に会える。あえて水商売に染まっていない女の子を選ぶオーナーの人選、そして、決して無理強いをせず、誠実に接する松本店長の人柄が店の雰囲気づくりに反映されている。
松本店長の謙虚さもピエロのカラー。「頼りなさも感じるけど、アドバイスやリクエストをしっかり聞いてくれます」と女性スタッフは言う。中洲で飲み慣れた客からいろいろとアドバイスをもらうことも多い。
もちろん、すべてが人任せというわけではない。「今の課題は新規客の取り込み」という松本店長は、寝る間も惜しんで週1回、早朝に行なわれる異業種交流会に参加し、店のPRを行なっている。
今や中洲っ子の『隠れ家的存在』になったピエロ。松本店長は、「1人でも入りやすい店だと自信を持って言えます」と目を輝かせて話す。
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<SHOP INFORMATION>
メンバーズ ピエロ
所在地:福岡市博多区中洲2-7-2レビュー中洲1F
TEL:092-282-3202
営 業:午後8時~午前1時
料 金:5,000円~
URL:https://www.facebook.com/MenbersPierrot
<プロフィール>
長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
福岡県生まれ。海上自衛隊、雑誌編集業を経て2009年フリーに転身。危険をいとわず、体を張った取材で蓄積したデータをもとに、働くお父さんたちの「歓楽街の安全・安心な歩き方」をサポート。これまで国内・海外問わず、年間400人以上、10年間で4,000人の風俗関係者を『取材』。現在は、ホーム・タウンである中洲に"ほぼ毎日"出没している。
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