福岡県の中学校から大阪の強豪PL学園に進学、卒業後千葉ロッテに入団。退団後はカナダ、アメリカなど海外の複数の球団でプレー。台湾では、ゴールデングラブを獲得するなど大活躍した小林亮寛投手。昨年オフにはドミニカに渡りウインターリーグへのトライ・・・。国境を越えて更なるステップを目指し続ける小林亮寛投手に、ウインターリーグへの思いを聞いた。
「毎年ドミニカ共和国では10月中旬過ぎからウインターリーグが開催されており、過去のチームメイトたちからリーグの魅力を聞いて参加してみたいと思っていたのでドミニカ共和国を選択しました。中南米ではドミニカ、メキシコ、プエルトリコ、ベネズエラのほか、ニカラグアやコロンビアでもウインターリーグは開催されており、メジャーリーグのスカウトが毎試合選手をチェックしています。マウンドやフィールドの芝生などグランドの質もメジャーリーグに近く、プレーヤーもメジャーリーガーやメジャー経験者、プロスペクト(近い将来メジャーリーグで活躍するであろう若手)選手が沢山参加しており、そんな環境でプレーできるのはドミニカ共和国しかありません。昨年も参加の予定はありましたが、シーズンの疲労が強かったので断念しました」
ウインターリーグを訪れるのは2回目の小林投手。選手たちの野球への情熱が溢れ、魅力と刺激に満ちていると言う。「ウインターリーグには2010年のメキシコ・ベラクルスリーグにて初めて参戦致しました。中南米の野球ファンにとってはメジャーリーガーなどが帰国し母国でプレーをするため本格的な野球シーズン到来でもあり各国で盛り上がりを見せます。日本ではウインターリーグは『メジャーリーガーたちや若手選手の練習試合の場』と考える人も多いようですがそれは間違いです。各チームのオーナーやファンは勝利を目指していますし、そのために選手が選択されます。毎試合ロースター(出場登録選手)が変わりますが、メジャーリーガーであっても調子が悪ければ外されてしまいます。勝利最優先です。メジャーはアジアのプロリーグと契約形態が大きく異なり毎年自由契約になる選手が多数存在します。『年俸が高くなりすぎて球団が再契約を断念』したり、『選手がより良い条件や環境を求め自由契約にしてもらう』ということが日常的だからです。ちなみに日本ではこの権利を選手が得るには国内FAに7年間一軍での登録が必要になります。そういう自由契約になった選手たちがスカウトの前でプレーしアピールします。スカウトにとっても選手たちの新鮮な情報を仕入れる事ができる重要なマーケットとなっているのです。そこに僕は魅力を感じていました」
常に自らの向上を考え、野球の機会を求めるため遠距離でも足を運ぶ小林投手。そのモチベーションの高さはどこから生まれてくるのだろうか。「『向上心と好奇心、純粋にプレーヤーとして成長したい』という想いだと思います。子どもの頃から今も変わらないのは周りの人の支えで、今このチャンスを貰っているのだから粗末に生きてはいけないと言う思いです。感謝を力に変えて最後まで挑戦したいと思っています」
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