経済産業省は14日、平成24年度中に許可を受けた太陽光事業者を対象に事業の確認を行ない、その1月末の段階での集計結果を発表した。対象は400kW以上の太陽光発電設備の新制を行なった事業者4,699件。そのうち、未運転の事業者で(1)土地を用意できているか、(2)設備の発注などによって仕様が決定しているか、などの条件を満たさない者に対して3月をめどに聴聞を行なう旨が伝えられた。該当する事業者は、672件(用地、設備のいずれも未決定571件、調査に対して未回答・および不備など101件。合わせて672件)で聴聞の結果によっては許可を取り消す場合もあり得るという。(1)、(2)のいずれかを満たしていない事業者に対しては、8月末までに条件を満たさなければ聴聞を行ない、取り消しの判断が下されることもあり得ることが示された。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度が2012年よりスタートした。これは、太陽光パネルの市場価格と連動して、毎年その買取価格が決定される。したがって、買取価格が高い年度に申請し許可を得ることができていれば、後年、太陽光パネルの価格下落した場合、その分だけ追加的に利益を得ることができることになる。実際、太陽光パネルの価格は下落しており、それに合わせて発電した電力の買取価格も下がっている。その差益を狙って、事業を「待っている」事業者もいるのである。その割合が1割にも及ぶ実態が示された形だ。ちなみに、運転開始済みの事業者は1,049件。約22%だ。
これは、買取が決定しないと金融機関との連携などがうまくいかないことをかんがみての制度であったのだが、最初からこういった状況に陥ることは予測されていたし、問題として指摘もされていた。抜け道があること自体が問題ではあるが、それを活用する側にも、問題はある。こういった事態に対して、いよいよ経産省も本腰を入れた格好だ。再生可能エネルギーの普及を促進できるか否かは、制度にも大きく左右される。真っ当な事業者がバカを見るような制度であっては断じてならない。
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