日本テレビ系列で放送されているドラマ「明日、ママがいない」が、団体からの抗議を受けて、ストーリーが変更になった。「果たして放送中止か?」という可能性も含めた議論となるなど、抗議は、「フィクションのドラマにどこまで視聴者が介入できるのか」という点で大きな波紋を呼んだ。団体からの抗議を伝える報道は、テレビや新聞が無視しても、インターネットメディアでは連日取り上げられ、検索サイトのニュースに連日「トピックス」として上位に掲載された。ドラマを見ていない(であろう)人ですら「流れ」に便乗し、番組についていた「スポンサー」に抗議を行なったりしている。今回の件は「団体からの抗議」→「ドラマ内容の変更」という因果のなかに「インターネットでの報道」→「スポンサーへの抗議」という2つのステップが絡んだ結果生まれたものと言えよう。
国外でも、視聴者からの抗議に対し、ドラマの変更が生まれるのか?韓国では、以前、ある人気ドラマにおいて「筋が変わった」という例があったそうだ。ある韓国人通訳者は「タイトルは日本語に訳せば『純粋な愛』です。日本では紹介されていませんが、当時のそのドラマに対する韓国での反響はすごかったですね。もし死なせたら「癌で闘病している人が消沈する」という指摘もありました。社会的な注目を集めていました」と回顧する。『親の反対を押し切って男女が結婚。ボクサーの夫が癌と戦いながら奮闘するも最後は亡くなる』というストーリー。しかし、人気を上回るほど反響が大きく、視聴者から「主人公を死なせないで」という声が強かったため、シナリオは変更され、主人公の癌が治るという風に変わったそうだ。
一方、台湾では、ドラマの人気が出ると放送期間中に脚本をどんどん書き足し、話数が「追加」されることがある。人気ドラマ「夜市人生」も例の一つ。収録が追いつかず、放送前日に収録されることもあるため「ソファーで登場人物がずっと世間話をしている」シーンだけでお茶を濁す場合もある。それでも視聴率を取るからすごいのだが・・・。
形は違えども、どの国でも「視聴者の反応」や「視聴率」によって、ストーリーは「原作」から大きく変えられることがあるのだ。
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