九州・山口・広島の地銀22行の14年3月期の第三四半期(13年4月1日~13年12月31日)の決算が出そろった。通期決算まで1/4を残しているが、アベノミクスの追い風を背景に全行当期純利益予想の修正はなく、達成できると見ているようだ。
「表1」を見ていただきたい。預金残高の順位表である。中間決算(13/9月)から順位の変動はないが、他行との競争及び地域経済の活力の差が明暗を分けているのが読み取れる。
それではまずこの表から各行の14/3月期の決算状況の推移を検証していくことにしたい。
1.預金残高について
第1位は福岡銀行、第2位に西日本シティ銀行、第3位に広島銀行、以下山口銀行、肥後銀行、鹿児島銀行と不動のメンバーが続く。
この表から見えるのは、地銀22行のうち第1位~第3位の広島銀行までが5兆円を超えており、続く第4位の山口銀行~第11位の宮崎銀行までが2兆円超の銀行である。このなかで親和銀行が年率9.2%、鹿児島銀行6.8%、筑邦銀行が宮崎銀行6.1%と健闘しているのが目立つ。
ただこの11行のうち、もみじ銀行を除く10行が第一地銀であり、第二地銀の経営基盤がいかに厳しいかを物語っていると言えよう。
この表で気になるのは、山口FG三行のうち、山口銀行ともみじ銀行がともに前期比(13/3月期)マイナスとなっていることだ。また2年前に設立された北九州銀行(2011年10月に山口銀行の九州の営業地盤を継承)は、福岡銀行や西日本シティ銀行のみならず、九州各県に展開する営業店が地元銀行の攻勢を受けて厳しい状況にあるのか、増加率は一桁台の7.2%に止まっている点も気になる。
山口FGは九州のみならず、お膝元の山口県でも、優秀な行員を北九州銀行に張り付けたこともあり、力をつけてきた西京銀行や山口県内に再進出した福岡銀行などの挟撃を受けて、厳しい状況にあるとの話も聞かれる。また広島県でも、傘下のもみじ銀行が、広島銀行を始めとする他行からの攻勢に晒され、苦戦していると伝えられており、山口FGの今後の動向に注目が集まっている。
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