前回に続き「表1」を参照していただきたい。
第15位は北九州銀行に続いて、南日本銀行、筑邦銀行、宮崎太陽銀行、第19位の豊和銀行までが5,000億円超の銀行である。以下第20位の福岡中央銀行が4,000億円台、第21位の長崎銀行、第22位の佐賀共栄銀行は2,000億円台となっており、トップの福岡銀行と比較すると実に40分の1のスケールである。そこで預金残高順位ではなく、各行の預金に対する取り組み姿勢が読み取れるのが下表4である。
この表から見えるのは、増加額1位の福岡銀行(年率3.9%)、第2位西日本シティ銀行(年率4.5%)が、ともに3,000億円を超えて確実に伸ばしていることだ。ただ年率では西日本シティ銀行が上回っており、九州地区では両行が飛び抜けて強いのがわかる。
・第3位の広島銀行、第4位の鹿児島銀行が2,000億円以上増加し、続く第5位の親和銀行~第7位の宮崎銀行までが1,000億円超となっている。
・第8位の十八銀行、第9位の西京銀行、第10位の熊本銀行、第11位の北九州銀行までが500億円超となっている。以下第12位~15位には筑邦、佐賀、福岡中央、南日本銀行と続く。
・第16位に肥後銀行。九州・山口・広島の地銀(22行)の中で、預金残高が第5位の肥後銀行の増加額はわずか156億円と低いのが目立つ。
・第17位は豊和銀行、第18位は長崎銀行、第19位に宮崎太陽銀行、第20位佐賀共栄銀行と続く。ここまでが前年度(13/3月期)比プラスの銀行である。
・第21位の山口銀行、第22位がもみじ銀行で、この2行のみが年率マイナスであり、最下位のもみじ銀行は▲682億円(年率▲2.4%)と大幅なダウンとなっている。
それぞれの銀行によってスタンスの違いはあるにせよ、表4から見えるのは、預金残高が増加している銀行は、貸出金もそれなりに増えているのがわかる。アベノミクスによる景気回復の恩恵を享受していると言っても過言ではないのかもしれない。
※記事へのご意見はこちら