ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は25日、谷正明会長兼社長(71歳)が代表権のある会長となり、後任の社長に柴戸隆成副社長(59歳)を充てる人事を発表した。傘下(福岡、親和、熊本銀行)の頭取も一斉に交代する。2007年に3行が経営統合してFFGが誕生して以来、初めてのトップ交代となる。
新社長の柴戸氏は、グループの中核である福岡銀行の頭取も谷氏から引き継ぐ。谷氏は空席だった同行の会長に就き、FFG会長を兼務する。FFGと福岡銀のトップ交代は、6月下旬開催予定の株主総会後となる。
また、親和銀行は小幡修頭取が退き、後任に吉沢俊介専務(58歳)、熊本銀行は林謙治頭取が退任し、竹下英専務(63歳)が頭取にそれぞれ就任する。いずれも4月1日付。
頭取就任から来月末で丸9年を迎える谷氏は、記者会見で「ふくおかフィナンシャルグループの体制が整備され、1つの区切りができたと思い、後任にその頭取の職を託すことにした」と述べた。谷氏は昨年6月、九州の地銀では初めて全国地方銀行協会会長(任期1年)に就任している。
同席した次期頭取の柴戸氏は、「金融機関を取り巻く環境は変化が激しく気を抜けない時代になっており、創意工夫してさらに飛躍を図りたい」と抱負を語った。
次期頭取に内定した柴戸氏は、修猷館高校から慶應義塾大学経済学部へ進み、1976年に卒業後、福岡銀行に入行。05年に日銀出身の寺本清頭取から50年ぶりに頭取に就任した谷氏に続いての生え抜き頭取となる。
この人事によって、九州の地銀18行の頭取のうち、慶応大学出身者が6名、東京大学出身が3名で、この2つの大学で半数のポストを占めることになる。また、FFGの若返りに触発されて、他行でも今後、急ピッチで頭取交代が進むものと見られている。
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