企業・人、再生シリーズ（41）
今回、２月16日～22日ラオス経済視察に行った。結論からいえば【現世の極楽往生の地で人生のやり直しをやりたい】ということであった。まず地図を参照されたし。ベトナムの西側に盲腸の如くくっ付いている。ダナン辺りまで隣接して南下しているのだ。政治的にはベトナムの影響下にある歴史的な経緯がある。国土全体は高台にあり気候は温暖といえる。だからラオス民族の気質も穏やかなようだ。
＜複雑なラオス国内事情＞
ラオス人民民主共和国は、1975年に王政を廃止して独立した。国会制度を敷いているが、実質はラオス人民革命党が実権を握っている。この年は、ベトナムからアメリカが放逐されベトナム南北分離国家が誕生した年でもある。アメリカ侵略国を追い出すベトナム民族戦争に便乗して、ラオス人民民主共和国が設立されたという時代背景がある。よって政治的には、ベトナムとは兄弟関係の弟格にあたる。政治的関係は深い。
しかし、経済的な関係は異質な流れになってきた。ラオスもASEANの仲間同様に、経済発展政策を推進している。ベトナムから投資も増えてきたが、基本はバーツ圏（タイ経済圏）である。日用品、雑貨はタイ製が大半を占めている。また、最近ではタイの工場がラオスヘ移転する動きもある。今後、ますます両国の経済的関係は緊密になっていくであろう。経済的には、ラオスはタイに頭が上がらないという構造は持続される。
ラオス指導部が短期間で経済力を強化しようと躍起になっている。その意向を汲んで、中国が鉄道建設、インフラ整備などの援助を行なった。そうなると中国人の大量流入となった。正式手続者は100万人、不正入国者100万人の合計200万人の中国人が国内で生活しているとみられる。国内至るところに中国人街が出現した。ラオス国民は6５0万人足らずしかいない。ラオス政府は「あまり中国依存にのめり込んではいけない」という警戒心を抱くようになった。内陸部にあるこの国は、国境を５カ国に囲まれている。国家の舵取りには、絶妙なバランスが必要なのだ。単純思考の安倍首相では、ラオス国家経営は不可能である。
＜昔の侵略者・フランスは闊歩している＞
フランスは170年間、このラオスを植民地支配してきた。普通であればフランス人は、「出ていけー」と嫌われるはずなのだ。ところが、至るところでフランス人に出会う。統計によると、常時10万人のフランス人がリゾート滞在しているとか。我々、日本人として羨ましい限りだ。これだけ中国、韓国の人たちに罵倒されるのに、フランス人は「侵略者！！帰れ！！」と批判されないのか。大きな謎だ。
【ラオス：データファイル】
＜ようやく経済発展のスタートに立ったラオス＞
ラオス人民民主共和国（首都：ビエンチャン）は、人口の半数以上を占めるラオ族を始め、49民族で構成される多民族国家である。面積24万km2、人口約651万人（2012年、ラオス統計局）。1353年、ランサーン王国として統一したのが国家の始まりである。
1899年、フランスのインドシナ連邦に編入され、1949年、仏連合の枠内での独立。1953年10月22日、日仏ラオス条約により完全に独立した。その後内戦が繰り返されたが、73年２月「ラオスにおける平和の回復及び民族和解に関する協定」が成立。インドシナ情勢急変にともなって、75年12月、ラオス人民民主共和国が成立した。
経済的には、75年以降行き詰まり状態にあったが、86年に「新経済メカニズム」と呼ばれる経済改革に着手。銀行制度、税制、外国投資法の制定、国営企業の民営化など、幅広い分野での措置を通じ、市場経済の導入、開放経済政策を推進した。2006年の第８回党大会において、20年までのLDC脱却、10年までの貧困の基本的な解決策などを目指した長期目標を策定、外国投資の促進による社会経済の加速を目指した。
日本との関係は良好で、1955年に外交関係を設立した。08年８月、両国間に二国間投資協定が発効。日ラオス官民合同対話を通じて、投資環境の改善に取り組んでいる。10年３月には国交55周年を迎えた。
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