経産省九州経済産業局と九州ヘルスケア産業推進協議会は3月4日、福岡市内で「九州ヘルスケア産業活性化シンポジウム」を開催した。131名が参加した。
(独)国立循環器病研究センター研究所の妙中義之副所長が「医工連携が切り拓く産業と地域の活性化」をテーマに基調講演した。大阪府で実践されてきたヘルスケア産業活性化に向けた取り組みから、「これまで医療と工業(商業)の連携を進める秘訣とされていたことのほとんどは誤解であり、これが売れない試作品の山を量産する原因」と指摘。失敗を繰り返さないためには、「医療現場のニーズに応えられる市場の見極め」「投資回収の視点による適切な事業計画」「売れる理由の掘下げによる適切な差別化」「マッチングによるパートナーの選定」「薬事通過の目途が立つガイドラインの策定」などを、民間が中心となって進めていくこと、またこれを担う人材を育成することが重要と説いた。
(株)タニタヘルスリンクの吉澤正樹社長が「『からだと健康と生き方をつなぐ会社』が展望する将来」をテーマに特別講演した。同社が取り組む国民の健康増進サービス「タニタ健康プログラム」について説明し、「医療に比べ、健康は非常に厳しい市場。それでも弊社はサプリメントなどの製造ではなく、古くから伝わる『食事』による栄養管理や『運動』による体調管理の普及に徹する」と伝えた。
その後、九州の企業3社によるヘルスケア産業に関する取り組みが報告された。
報告内容は、(株)ファインテック(本社:福岡県柳川市、本木俊彦社長)の「産業用刃物製造技術を活かした医療機器分野への展開」、(株)ロジカルプロダクト(本社:福岡市南区、辻卓則社長)の「産学官とセンサー技術による医療分野への展開」、九州電力(株)(本社:福岡市中央区、瓜生道明社長)の「大学や地域とコラボした健康支援システムの開発」。
参加者からの質問や、妙中副所長からのアドバイスによって、3社それぞれの取り組みに対する評価や課題が明らかとなり、各社は実用化にむけて動き出すヒントを得たとしていた。
「九州ヘルスケア産業推進協議会」は昨年7月に設立。今回のシンポジウムによって、同会の目的とする「ヘルスケア産業の活性化による、健康寿命が延伸する社会の構築」が加速することが期待されている。
◆健康情報サイトはこちら >>
健康情報サイトでは健康・食に関する情報を一括閲覧できるようにしております。
※記事へのご意見はこちら