<ビッグバイク愛好家の悩み>
ハーレーダビッドソンやBMWといったビッグバイクを駆る愛好者にとって、車庫入れの苦労は共通の悩み。排気量1,000ccを超えるタイプは、全長2m、車重300kgを超えるものも少なくなく、エンジンを切った状態での移動は容易ではない。体格の小さな女性や年配の愛好者であれば尚更だろう。
この悩みを解決する画期的なシステムが、口コミとフェイスブックを通じて広がっている。開発したのは「ものづくりのまち」北九州市に本社を置くトータルエンジニアリングコーポレーション(略称TEC、本社:北九州市八幡東区、田中順一代表)。同社はビッグバイク向けサイドカーの製造・販売を手掛けるかたわら、ユーザーが抱える車庫入れの悩みに注目。エンジンを切った状態での前後移動を可能にした「ZENGO」システムを開発し、2012年から販売を始めている。
<特許が「ZENGO」を支える>
「ZENGO」は、タイヤ圧接式の駆動装置である。取り付けられたレバーを引くことで、モーターにつながった小型のローラーがタイヤに密着。これが回転してタイヤを転がす仕組みで、その機構は特許 (タイヤ圧接式駆動装置:特許第5032712号) を取得している。エンジンを切った状態でもスイッチ1つでバイクを動かせるうえ、バックも可能。そのため、車庫入れや切り返しが無理なく行なえる。
同社の開発陣は、「同様の発想は以前からあったのですが、パワー不足がネックでした。省電力・高出力のモーターに出会ったことで、実用化に漕ぎ着けました」とコメントする。また、販売責任者の矢野店長によると、「オプションのバックギアを取り付ける手もありますが、『ZENGO』でしたらギアに手を加えませんし、価格も半額以下です」と、その利点を語る。
2012年から販売を始めた同製品は、着実に出荷実績を重ねつつある。当初は口コミが主体であったが、フェイスブックの運用と共に海外にも情報が飛び、今では登録者の多くを海外の愛好家が占める。「品質を徹底するために、当面は、取り付けまで弊社で行なう予定です」とする矢野店長も、将来的には全国・海外に販売網を広げていきたい意向を示している。
詳細は、動画で見た方がわかりやすい。YouTubeで「TEC、ZENGO」で検索するか、以下のリンクから視聴できる。北九州が生んだTEC「ZENGO」のさらなる広がりを期待したい。
▼関連リンク
・TEC製 「ZENGO」装着したdomaniのエンジンOFFしてバックする映像!(YouTube)
<COMPANY INFORMATION>
トータルエンジニアリングコーポレーション
所在地:北九州市八幡東区末広町2-8
代表者:田中順一
TEL:093-681-1031
facebook:https://www.facebook.com/tec1zengo
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